サカンナいきかた
理想の住宅を作りたいなら絶対に必要なアレの話
鏝の超高難度 でも知ってほしい特大「本焼き鏝」のメリット
今回はモルタル下地 (ノンクラック工法)で施工しています。
内装、外壁問わず綺麗で理想の住宅を手に入れたいなら、ぜひ壁の下地にもこだわって欲しい。
質の高いインテリアや住宅外観をカッコ良くしたいなら、絶対に「壁の下地」にこだわってください。
こう言われたとしても、一般の方は壁下地を見る機会はあまりないのでピンと来ないかも知れません。
しかし、微妙なニュアンスの色合いにしたい時や凝った意匠(デザイン)の住宅にしようとした時ほど
「壁の下地にもこだわって欲しい。」
というのが我々プロの意見です。
なぜなら、質の高い壁の評価とは常に
「仕上げの質」×「下地の質」
という掛け算だからです。
逆説的に言うと下地さえしっかり作ってあれば、あとは「好きなデザインにし放題」だからです。
逆に下地の質が低いと仕上げの自由度も質も下がってしまうという事です。
これを例えて言うと
「お化粧」
を思い浮かべて貰うと分かり易いかも知れません。
お化粧をする時にお肌の状態が良くないと化粧もどこかくすんだ感じになってしまいますよね。
塗り壁の場合は同じように下地の状態が良くないと頑張って仕上げても限界があるという事です。
本焼き鏝が達人レベルの職人を探そう or 探してもらおう。
今回、動画ではモルタル下地を塗っていますが、使っている鏝。
これは「塗り付け鏝」という種類の鏝です。
この鏝は内装にも外壁にも使用する一般的な鏝なので目にした事がある方もいるかも知れません。
一般的にはサイズは28cmくらいで、材質は通常、軟らかい地金(軟鋼)を使います。
しかし今回ご紹介している鏝は
34センチのビッグサイズ、しかも「本焼き鏝」と呼ばれるタイプの鏝になります。
本焼き鏝は鉄の部分が固くなるように普通の鏝よりも高温で焼きが入れてあります。
この為、滑りが良く、材質も硬く、軽い重量になっています。
このような性質を持つ「本焼き鏝」なら一気に下塗りが出来る為、非常に綺麗な壁下地を作る事が可能になります。
「それなら皆、本焼き鏝で工事すれば良いのでは?」
と思われるかも知れませんが、左官業界の中でも「本焼き鏝」を使いこなせる職人は極僅かです。
実は「本焼き鏝」のデメリットとして、
・硬すぎて落とすと割れる
・扱いが難しい
・使いこなせる様になるまで時間が掛かる
という点があります。
一度「本焼き鏝」にチャレンジしたけれど挫折したという職人も多いのです。
しかし、「本焼き鏝」を技術的にマスターすると、壁の仕上がりは別格といっても過言ではありません。
とても簡単にですが、今回は「塗り付け鏝」の「本焼き鏝」についてご紹介しました。
住宅を建てる時には「価格」や「デザイン」も重要ですが、「どんな職人がどんな仕事をするのか」まで興味を持って頂けると幸いです。
イナマサ業務店blog「サカンナいきかた」では鏝など道具の紹介を通じて、理想の住宅づくりに必要な情報を配信しています。
最後までご視聴ありがとうございました。次回をお楽しみにお待ちください。