ようこそ!ゲスト さん

漆喰で風邪予防、内装で出来る室内のコロナ対策。抗菌、抗ウイルスの性能を徹底比較

ウイルス対策のイメージ

コロナについて調べて見えてきた事実(投稿時点でのファクトまとめ)

このページでは 抗ウイルス などについての客観的な実験資料を精査し、室内環境における効果的な抗ウイルス対策の方法について考察しています。特定の商品やサービス、および研究などの良し悪しについては言及しておりませんので、予めご了承ください。

[toc]
左官の塗り壁仕事

「お家時間」が増えて、漆喰の問い合わせが増えた。

コロナの影響で 在宅時間 が長くなりました。それに伴い室内の抗菌抗ウイルス対策商品が注目されるようになりました。また我々、左官業界にも 漆喰 の抗ウイルス効果や施工のご相談についての問い合わせが増えてきた事も今回の記事作成の背景となっています。 多種多様に存在する、これら室内の 抗菌 抗ウイルス 対策商品。今回はその効果や利用方法についての考えをまとめていきますが、その前にコロナウイルスにどんな特徴があるかを整理したいと思います。

抗菌/抗ウイルスとは何か?
SIAA(抗菌製品技術協議会)より抜粋

"JIS(日本産業規格)では、加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が100分の1以下(抗菌活性値2以上)である場合、その製品に抗菌効果があると規定しています。" https://www.kohkin.net/antibiotic.html

ちなみに似た言葉に以下があるので、ここで改めて整理しておきましょう。

抗菌:製品の表面上における細菌の増殖を抑制する事
滅菌:微生物を完全死滅させる事
殺菌:微生物を死滅させる事
消毒:病原性の微生物を殺滅・除去させる事
除菌:特定の物質や限られた空間の微生物を除去する事

また、同様に抗ウイルスについては以下の記載があります。

抗ウイルス:製品上の特定ウイルスの数を減少させることを言う。

【参考】
https://www.kohkin.net/antivirus.html

また、エタノールを用いた接触時間別の効果については北里大学の研究結果が発表されているので以下にリンクを貼っておきます。

”医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)不活化効果について”

ちなみに内装関係の商品についてはサンゲツから抗ウイルス壁紙についての実験データもあります。

サンゲツのデータ

また、漆喰塗料に関しては長崎大学と関西ペイントの共同研究で「5分で99.9%以上のウイルスの不活化効果が確認」というデータもあります。以下にリンクを貼っておきます。

これらの情報は自宅でもウイルス対策をしたかった方には朗報だと思いますが、要点としてはどれも「効果が出るまで一定の時間を要する」という点です。この点を充分理解した上でコロナ対策をした方が良いでしょう。

一方で「どの商品を選んだら良いか分からない」という意見もよく聞きます。当たり前ですがウイルスは目に見る事ができません。なので抗ウイルスの商品を導入したとしてもその効果が分かり難いという問題点があります。この問題を解決するには、

・商品の特性と効果を理解する
・理解した上で適切に使用する

という事です。
そしてあくまで「手洗い、うがい、密を避ける」がコロナ対策の主であり、これら抗ウイルス効果を有する商品は副であるという事を理解しなければなりません。

手洗いのイメージ

手洗い、うがい、密を避ける、にかなう対策はないが、補助的に使いたいインテリアのコロナ対策

様々種類がある抗ウイルス対策商品ですが今回は分かり易く表にまとめてみました。 評価の基準は以下です。

効果の即効性:設置してからの効果はあるか?
効果の持続性:設置してからどのくらい効果は続くか?
効果の範囲:有効な空間 ÷ 設置面積
経済性:単価と交換頻度の比較
利便性:設置し易さ

 

効果の即効性

効果の持続性

効果の範囲

経済性

利便性

総合点
25点満点

漆喰壁

4

5

5

4

2

20

機能性塗料

3

3

4

2

3

15

機能性壁紙

3

4

4

3

4

18

フィルム

2

2

1

1

5

11

空間噴霧器

今回の結果は総合点で漆喰壁を1位とし、空間噴霧器は評価対象外としました。要点は以下です。

・フィルムは売れているが接触感染のリスクについて理解が必要。
・空間噴霧に関する抗ウイルス効果を評価する方法は国際的に確立されていない。
・空間噴霧用消毒薬として承認を得られた次亜塩素酸水は現時点で無い。
・飛沫対策として内壁への抗ウイルス対策は有効

まず、現在人気があって売り切れが続出しているというフィルムからですが、残念ながら住宅においてはあまり効果が期待できません。理由は以下です。

公共交通機関の感染率:0.1%
(ただしローカル線<高速バス)

これに対しては従来から懐疑的な見方をされている方も多いのではないかと思われますが、

しかし同様の記述が以下のようにあります。

米タフツ大学の研究チームが米国のマサチューセッツで行った調査によると、公共の場にある物の表面を触れることから新型コロナに感染するリスクは、「1万分の5以下」(0.05%以下)

“論文の詳細(英語)”

つまり、接触感染による感染リスクはあまり高くないというのが要点です。ではフィルムでのドアノブ対策が全くしなくて良いかというとそうではありません。例えば厚生労働省のデータには以下の記述があります。

30代の方の重症化率を基準とすると、

10歳未満:0.5倍
10歳代:0.2倍
20歳代:0.3倍
30歳代:1倍
40歳代:4倍
50歳代:10倍
60歳代:25倍
70歳代:47倍
80歳代:71倍
90歳以上:78倍

「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識」より

上記を踏まえると、ドアノブなどのフィルムが必要なケースは

1.老人施設などの特定の施設
2.不特定多数が出入りする場所
3.高齢者のいる家庭
4.高血圧など特定の持病がある方の家庭
5.10歳未満のお子さんがいる家庭

1.と2.に関して今回は住宅の抗ウイルス対策がテーマですので言及は割愛しますが、前述のとおり接触感染の確率は低くても、コロナウイルスの高リスク群に該当する方がおられる場合は、あくまで補助的にフィルムなどで抗ウイルス対策をする事は有効だと考えます。3.4.に関しても同様で高リスク群の方がおられる場合は対策をしてみては如何でしょうか。5.に関してはお子さん自体が4、に該当しない場合はフィルムでの対策は不要に思えますが、仮に両親のどちらかがコロナに感染した場合、生活の面で大きな支障が出る事が想定されます。ですのでフィルムでの対策は必須ではありませんが、気になる方はフィルムでのコロナ対策を検討する方に含まれるのではないかと考え追加しました。

なお、再三になりますがコロナウイルスは接触感染の確率は低いです。これは以下の記述にもございます。

コロナウイルスは人から人へ「非常に容易に感染する(spreads very easily)」
 インフルエンザ < 新型コロナ < 麻疹
主要な感染経路は飛沫感染(粘膜感染と吸引)
環境接触での感染確率は低い(接触感染は低い)
「米国疾病対策センター(CDC)」より

まず大前提として飛沫に注意する対策が重要です。その上でフィルムなどでドアノブの対策をして下さい。

次に 機能性壁紙 と 機能性塗料 についてです。どちらも利便性が高く、業者に依頼できれば簡単に設置できますし、効果も高いので経済的でもあります。ただし一定の期間で効果が失われていくので、定期的に 塗り替え や 貼り替え の必要が出てきますが、状況に応じて変更できるメリットは大きいです。

コロナ対策で取り上げられる飲食店の問題ですが、実は客室でなく休憩室が狭く感染しているケースが意外と多いという情報もあります。たしかに見た目が密になっていなくても、従業員同士が入れ替わり利用していて換気が充分出来ていない環境であれば、感染のリスクが増えるのも理解できると思います。これは飲食店に限らずですが従業員の休憩室は狭くて換気が良くない事は珍しい事ではないでしょう。その場合は機能性壁紙や機能性塗料で対策してみるのも有効なのではないかと考えます。

最後に 漆喰壁 です。 漆喰 は 消石灰 を原料にしていてこれは強いアルカリ性をもっています。この為、漆喰に付着した物質は強アルカリの影響を受けます。従来は消臭効果が注目とされていましたが、今回のコロナ騒動で改めて漆喰の抗菌抗ウイルスの効果が再注目されています。

また漆喰の場合は多孔質で無数の穴が空いており、表面だけでなく内部でも吸着が可能な為、効果の持続性が期待できます。ここで重要なのが表面の吸着性は比較的早く失われるという点です。ですので抗ウイルス効果を期待したいのであれば、モダンな薄塗りタイプや樹脂を練り込んだタイプでなく、多孔質での吸着が期待できる昔ながらの厚塗り漆喰仕上げにする事が肝心です。この様にメリットが沢山ある漆喰壁ですが一点大きなデメリットがあります。それは利便性の点です。設置するには施工が必要ですし、壁紙やフィルムの様に設置場所を移動する事も出来ません。経済性に関しては最初に施工費用が大きく掛かりますが、他の商品と比較し効果の持続性が高いので大きなデメリットではないとしました。

以上が今回の比較表の解説です。商品についてはある程度期間をおいて情報をアップデートしていきたいと思います。

次は自宅でできるコロナ対策の具体例です。

コロナ対策とは何か

インテリアのコロナ対策はどこに何を設置するのがベターか?

コロナで6割の方が在宅時間が増えたというデータがあります。ちなみに少し古いデータですが在宅時間に関しての調査結果があります。

国民生活時間調査(NHK)

全世代を平均すると16時間が従来の在宅時間でした、コロナで在宅時間が増えた事に関して具体的データの数値は見つける事が出来ませんでしたが、どの世代においても増えた事は恐らく確かです。ちなみに在宅時間が増えてやった事は以下です。

1.断捨離
2.筋トレまたはストレッチ

如何でしょうか?上記以外では、自宅で過ごす時間が増えるとインテリアにもどうしても目が行くと思いますが、こうした背景もあり、我々左官業界にもお問い合わせが増えているのです。

では、抗ウイルスという観点でどの様にインテリアを変えていったら良いと考えますか?考え方としては仕事の優先順位と同じで良いと思います。

1.直ぐ出来て効果が高い
2.時間が掛かるが効果が高い
3.直ぐ出来るが効果は低い
4.時間が掛かるが効果は低い

3.と4.は一旦置いておいて、まず1.をやりましょう。具体的には以下です。

・トイレに漆喰パネルを置く
・玄関のドアノブに抗ウィルスフィルムを貼る

先ほど職場の休憩室が危ないという話をしました。それを家庭に置き換えるとトイレが同様では無いでしょうか。最近の集合住宅ではトイレに窓がない物件も沢山ありますし、朝は家族が入れ替わり立ち代わりに利用する狭い空間でもあります。こうした観点から厚みのある漆喰パネルを置くのが良いのではないでしょうか?漆喰パネルなら通販でも売っていますし、近所に左官屋さんがあるならば作成して貰うのも良いでしょう。注意点としては先ほどの漆喰壁の記述でもあるように、

・厚みがある事
・樹脂を使用していない事

が確認事項になります。デザイン性の高い漆喰パネルもあってインテリアとしても良いですし、消臭効果もあるので「お父さんは後から入って」という娘との朝の戦争も無くなるので良いのではないでしょうか(笑)

次に住宅のドアノブ対策です。これは前述の通り、

・感染リスクが高いと思われる方の家庭
・10歳未満のお子さんがいる家庭

に限定しても良いと思います。フィルムに関しては前述の通り接触感染のリスクは高くないので重症リスクに準じた対応が求められるでしょう。

また家庭のドアノブ全てにフィルムを貼る必要があるかというとそうではないと考えます。

不特定多数が出入りする場所はまた別の考え方が必要かも知れませんが、帰宅したら手洗い、うがいが大原則という事が前提ですので、玄関のドアノブのみ限定でフィルムを設置するのが良いでしょう。

ネットで検索するとフィルムの売り切れをよく目にします。マスクの時と同様ですが必要な方が必要な分だけ購入できるようになって欲しいと思います。不必要にフィルムを貼りまくるのはこうした観点からもお勧めできません。

では2.の「時間が掛かるが効果が高い」の具体例は

・LDKと寝室の機能性塗料や機能性壁紙を検討する
・LDKと寝室の漆喰壁を検討する

となります。
改めてですが、コロナ感染のメインは飛沫感染です。1.8m距離をとって換気をするが大原則です。しかし前述の通り米国疾病対策センター(CDC)の2020年10月5日の改訂に於いて、「吸引」という表現が追加されました。これはエアロゾルか否かという点は置いておいて、一定の距離を置いても感染のリスクが少なからず有るという解釈になります。

つまりこれは、公共交通機関の利用にも通じる部分ですが、3時間以上同じ空間を他人と共有すると感染のリスクが高まるという事です。

寝室の場合は空間は比較的狭く、睡眠が短い方でも3時間以上滞在するでしょう。換気に関しては通常は可能でも真夏や真冬は難しいケースが出てくると思われます。同室で就寝する人の有無や換気の面を整理し何が適切かを考えてみて下さい。

寝室のウイルス対策のまとめ:寝室で過ごす時間は在宅時間のうち大きなウェイトを占めています。こうした面を考慮すると、比較的効果の持続性が高い漆喰壁が第一選択と考えられます。

LDKに関しては空間としては寝室と比較して広いですが、生活動線である為、人が往来するので一定のリスクは生じます。間取りによっては通気が悪い箇所も部分的にあると思いますので、注意して検討してみて下さい。

LDKのウイルス対策のまとめ:LDKの場合は個々の間取りによってリスクが異なる事が想定されます。こうした面を考慮すると後から微調整が可能な機能性壁紙が第一選択と考えられます。

<あとがき>

如何でしたでしょうか? 最近注目されている住宅の抗ウイルス対策について整理してみました。今回の記事で重要な事は、

・情報を常にアップデートする
(コロナについて、商品について)
・対策は手洗い、うがい、密を避けるがメイン
・抗ウイルス商品の特性を理解する
・接触感染の確率はあまり高くない
・間取りなど自宅の住宅特性を理解する


という事になります。
そして、もし上記にひとつ加えるなら「体調管理に努める」ではないでしょうか?

そうした意味では、「心身を健康に保てる快適な住宅」を提供していく事が我々左官職人にできる最大のコロナ対策なのかも知れませんね。 このブログでは住宅購入や補修など住まいに関わる情報をお伝えしています。
メルマガやSNS等でも配信していきますので是非ご登録ください。 次回は今注目されている「HSP」についてお伝えしたいと思います。
それでは最後までご購読頂きましてありがとうございました。