漆喰壁について左官のプロが徹底解説、漆喰壁は性能も高いが価格も高い?工事依頼や補修メンテナンスのコツを整理
お寺やお城など日本古来から壁材として漆喰が使用されてきました。漆喰は不燃性であり、アルカリ性であり、調湿機能や消臭機能もある為、大切な物を保管する蔵の壁材として使用されてきた事も広く知られています。
また、近年はこうした日本古来の漆喰だけでなく、フランスやイタリアなど欧州製の輸入漆喰の需要も増えてきました。そこで今回は左官のプロたちが漆喰壁について解説していきます。
ちなみに「漆喰は体に悪い」という記事をネットで見たりする事がありますが、これは乾く前の漆喰がアルカリ性である事に起因して起きる可能背があるリスクであり、完成した漆喰壁にこうしたリスクはありません。予めご認識の程をお願いいたします。
輸入モノもDIYも増えてきた漆喰壁の魅力を解説
内装の漆喰について教えて。
漆喰は、いわゆる健康住宅っていうようなカテゴリーの建築、家の建て方、材料の選択の仕方っていうのが出てきてから、その時に漆喰だとか珪藻土っていうのが、まだ新たに目をつけられたっていうのか、良いよねっていう風になって来たっていう認識。
そうなんだ、健康的な住環境って魅力よね。
昔からあるものなので、蔵に使われてたりだとか、内装だと土壁の上に塗られたりだとかっていう歴史がある。
古くて新しいのが漆喰なのね。
まず最初にお客さんに聞くのは、どうして漆喰塗りたいと思われたっていうところからアプローチしていく。古くから商品がずっと作られてるもの、それから古くからある漆喰の足りない部分を補って、作られた新しい漆喰とか、色々あるので、まずは漆喰の壁に何を求めてるかなっていう所から始まります。
どちらが良いか迷うわね。
僕の経験だとさっきの健康住宅の話じゃないんですけど、伝統的な工法っていうのに、無条件で引かれるっていうお客さんと、漆喰の効果・性能を期待されて選んだっていう方、それとは別に漆喰独特のあのツルツルっとした肌触りかっていうのに惹かれてという二-ズがある。
樹脂入り珪藻土:性能は低め、カラーは多い、割れにくい
伝統、性能、見た目かぁ。
それで、話を聞いて、こういう材料があります。こういう材料もありますっていう、お客さんに説明をするのがまず最初に話する事になる。
選択肢が多いと迷うわね。
あの漆喰独特のあのツルツルっとした感じがいいわっていう方、あと例えば調湿性だとか消臭性だとかそういう効果を期待してる方に分かれるかな。
中には、もしかしたら自分で塗りたい、DIYしたいって方もいますか?漆喰のDIY施工。
少ないけどいますね、各製造メーカーからDIY向けの商品を作ってたり、もっと言うとホームセンターにそれを展開してたりっていうのを見たりする。ただ漆喰の場合は、本当にDIY好きだという、余程じゃないとなかなか自分で達成するところまでは行けないかな。だから一部屋だけとか、壁1面だけという方が多いかなって気がします。
一面だけなら、自分で漆喰を塗ってみたい気もするわ。
他のところは職人さんにおまかせで、どこかのひと部屋、どこかの一部分だけ、私達で塗りたいっていう方は、確かにいます。
上手く塗れているか、途中で確認が必要かも。
自分たちで塗るんだけど、初日に職人さん立ち会ってくださいとか、後もっと言うと、その何て言うんでしょうかね、塗れる状態にするって言ったらいいのかな、塗る時に色んな箇所を汚さないようにテープとかシートで養生するじゃないですか、そこまでは職人さんにやってほしいとか、そういうリクエストありますよ、準備を職人さんにお願いして後は塗るだけ。
それなら私にも出来るかも。
あとは寒い時期の施工だと不具合が出やすい 白華 しやすいとか、そういうことがあったりしますよね。それを踏まえてしっかり使っていただきたいと、
それから、気を付けた方が良い事。DIYはご自分たちでやられるとき、漆喰はこの目に入ると非常に危ないという事。
うちの職人さんでも、片目に入ってすぐ洗ったんだけど、目が腫れちゃって見えなくなっちゃって、長い間通院したってのもあったりするんで、そういうことがあるんだって事はちょっと気をつけた方がいいかもしれません。
ちなみに漆喰の壁にする事でデメリットはある?
メリットとデメリットっていうのは多分どんなものにもあると思うんですけど、敢えて漆喰のデメリットを言うと、割れることがあるっていう事、メンテナンスの方法があるんですけど、汚れもつきやすいってい事。特に白を選ばれた方なんかは、コンセント周りなんかは結構黒く汚れやすい、手で触るか触るからそうですね。
汚れが付くのは嫌かも。改めてだけど漆喰の壁の魅力を教えて。
漆喰とクロスの比較、大前提として出来合いの物を貼るというのと、その現場に職人が塗るっていう事は全く違う。漆喰は確かに高価なものにはなると思うんですけども職人が仕上げるっていうことで、他にはない一点物っていう魅力が最大の塗り壁の魅力、漆喰を始め塗り壁の最大の特徴になってくると思います。
ハンドメイドの良さね。
それから、鏝で模様をつける、刷毛で塗る場合もあって同じ素材でも仕上がりが全然違う。
仕上げに使う道具でも変わってくるのね。
それから中にちょっと小さな骨材という、小さなものを混ぜて風合いも変える、お客さんのご意向を聞いていろんなやり方で演出できます。もっと言うと漆喰と言うと白というイメージなんですが最近は違う。
白以外もあるの?
従来の漆喰の足りない部分を補うような漆喰ってのも出てきた。調湿性や消臭性を担保しながら、色も結構豊富になってるので、ぜひとも漆喰を使って欲しい。
色が豊富なのは嬉しい。
漆喰の色は絶対に白って言われるお客さん多いんですけど、最近は色をつけたいっていうお客さんも同じぐらいいるような気がします。何て言うんでしょうね、ビビッドな色は再現できないんですけど、淡い色、昔の言い方ですとパステル調というのが、そういう色が意外と豊富、各メーカーも結構工夫しているので色選びも楽しいんじゃないでしょうかね。
淡い色ならインテリアに馴染みそう。
可愛い感じのカラーが多くなってきたって事、好みがあるかもしれませんですけど、最近の漆喰は割れ難くもなってきてるんで、そういった意味では昔の印象、ネガティブな要素、さっき汚れやすいとか言いましたけど、そういうこともだんだん何て言うんでしょう。考えられて進化してきて、最近のものはできているっていうのが最近の傾向じゃないでしょうか?
耐久性のお話、もう少し聞かせて。
工法については、商品によって異なる。プラスターボードの接合部分、ジョイントの部分だけメッシュを貼るっていう工法、専用の下塗り剤を塗ってから漆喰を塗る工法、全面にメッシュを伏せ込むっていう工法もあったりします。
ただ基本的に、内装の場合は漆喰をプラスターボードに直接は塗れないので、何かそれ専用の下地材を塗ってから漆喰を塗るっていう流れにはなります。
メッシュで割れにくくなるの?
そういう流れになってきている。でも極端なこと言うと、下塗りの段階でメッシュを入れなくてもいいってことはメーカーもある。
さっき、色んなものを混ぜて塗るって話が有ったけど、最近だとホタテとか牡蠣とか、中にはホンビノス貝を乾かして使うと聞いたけど。
いろいろあるけど、多くはテクスチャーになるような感じの粗さじゃなくて、細かな粉体になってるので表面を見て、この欠片がホタテ貝なのねっていう感じではないんですよ。
だから、言われなければホタテとか牡蠣とかっていうのは分からない。代わりにビーズを入れたりってのは、見た目にわかるぐらいの大きさ、ツルツルっていう漆喰の認識じゃなくて結構ザラザラ感が出るんで、その石入れることによって、漆喰だと出しにくい表情も骨材入れることによって、ちょっと違った表情もプラスできるかな。
細かい石とか綺麗なビーズって言うか、そういうのを混ぜて塗ったりとか、塗って乾く前に埋め込んだりとか、そういうのは見かけるね。
キラキラしてる壁も素敵ね。
ちなみに、漆喰がいいなってお客さんは何か他の素材と比較検討してるケースってあるの?それとも漆喰な人はもう漆喰だけだよっていう感じなんですか?ちょっと珪藻土と迷ってんだよねみたいな相談もある?
最近のお客さんは結構ネットで情報を調べてから来る。
性能的なところで選んでますとか、人それぞれなのかしらね。
この性能的なところで漆喰とか、価格の面で選択する場合もある。あとはカラーバリエーションの豊富さだとか、再現されるテクスチャーだとか、そのあたりで迷われてる方はいる。一般的にはその漆喰の方が消臭性は高くって、調湿性は珪藻土が高いみたいな、商品によっても性能の優劣が変わる、まあどちらも両方持ち合わせてるんですけど、やや優劣があるっていうぐらいで、だからあとは、色風合い、そこで迷われてるってところがあるんじゃないのかなっていう気がしますね。
何を重視するか迷うわね。
各メーカーで実験のデータも公開しているけど、前提条件として実験している条件がバラバラなので比較しにくい面があるが、自分に合う漆喰材が見つかると良いね。
分かったわ、ありがとう。
この項のまとめ
・漆喰は自然素材で健康志向の住宅ニーズがある。
・漆喰は伝統的な素材だけでなく、新しい素材が増えてきた。。
・漆喰は見た目の魅力と消臭機能など性能の魅力もある。
・DIYで漆喰を扱う人も増えてきた。
・使用する骨材でテクスチャーが変わってくる。
対応エリア:岐阜県、愛知県、三重県、但し条件合えば どこでも行きます。
対応できる工事:漆喰(内装)、珪藻土,壁の補修(内装),リフォーム工事(内装),漆喰(外壁),モルタル,壁の補修(外壁),リフォーム工事(外壁),ジョリパット(外壁),大壁工法,しらす壁,そとん壁,かき落とし,洗い出し,タイル工事,一般左官工事,塗装(ペンキ),乱形石
お薦めのデザイン:コンクリート系、フラット系
備考:バンドに夢中で大学中退後もまともに就職してなかったが、 当時のメンバーに薦められて、彼の勤めていた塗装店に職人として入社。 三年経った頃、当時の取引先社長から「ウチの会社で営業してみないか?」 と誘われ転職する。 そこの会社はマンションの大規模修繕を営む会社で、 その頃に塗装工事のノウハウを叩き込まれる。 10年勤めた頃、仕事への方向性が合わなくなり退社。 次の勤め先を決めずに退社したので、一年ほど人材派遣に頼りながら生活し、 その後左官工事店に入社。そこで左官工事を学ぶ。 8年勤めた頃に残念ながら倒産し、それを機に独立し現在に至る。
<プロフィール>
愛知県江南市出身、巳(み)年、てんびん座
【好きなもの】麻婆豆腐、ハイボール、音楽:new jeans、バイクDucati:mh900e、車:landrover:defender、脚本家:宮藤官九郎、映画:役所広司 すばらしき世界
【苦手なもの】月曜日の朝、冬場の静電気、ホヤの食感、デリカシーの無い人、食券機の店
【マイブーム】中華鍋を使った料理を作る事
漆喰壁は価格が高い?単純比較できない空間の価値を解説
漆喰の内装って渋くて素敵ね、新築住宅を建てる時は漆喰を使いたいな。
最近は漆喰を使った新築物件は減ってきたなぁ、自然素材だから良い面が沢山あるんだけど、工期が長く掛かってしまうから敬遠されるのかな?壁紙クロスと考えると3倍くらい時間と手間が掛かるからね。
今は新築よりもリフォームの塗り直しが多いの?
そうだね。ほんとは新築でしっかり工期を取って、丁寧に仕上げると素敵な内装になるんだけどね。
ほんと、素敵よね。
乾く時間をたっぷり取って丁寧に仕上げると非常に良いものが出来る。引き渡しても完全に乾くまで時間が掛かる場合もある。乾く前にさわらないようにしてね。まあ、慣れてないと乾いているか、乾いていないか見ても分かり辛いけどね。
漆喰の内装は、どんな依頼が多いの?
やっぱり寝室かな、とくに間接照明を使うと漆喰の魅力が良く分かる。気分が落ち着いて、ゆったりした時間が過ごせる。寝ている間もリラックス出来る事間違いなし。
漆喰は調湿効果もあるから良いね。
そうだね。それから人気があるのがリビングかな、やっぱり過ごす時間が長いからね。漆喰で快適な空間にしたいというニーズは多いよ。
おうち時間が充実するね。
あとトイレも人気がある、塗り厚にもよるけれど、漆喰の消臭効果も期待できる。
価格、工事費についてはどう考えたら良いかしら?
壁紙クロスと単純比較はできない、素材も違うし、工期も違うし、耐用年数も異なる。例えばビニールクロスは劣化が早いので、比較するとしたら、年数で割って比較するとかしないとね。
壁紙とは別モノと考えた方が良いね。
壁も天井も漆喰に出来たら、それはそれで素敵だけど、工期や予算の問題もあるだろう。だから広い空間、狭い空間、部屋の用途、建築予算によって柔軟に選択する事が大事だと思うよ。
たしかに部屋の1面だけという選択肢もあるわね。ところで新築の場合、ハウスメーカーや工務店も色々あるけど、どんな所に漆喰工事を依頼したら良いかしら。
工期に対して質問してみると良い、100平米をどのくらいの工期で出来るかで判断できる。工程に組み方で良し悪しが分かる事がある。
納得感のある説明を期待しちゃうわ。
ユーザー観点では工期は早いに越した事はないけど、しっかりした内装をするなら、工期長めに取らないと出来ないという考え方もある。
依頼する側、依頼される側の漆喰へのこだわり方次第でもあるかもね。
やっぱり不備があってはいけないからね、打合せは大事だよね。
ところで田口さんは漆喰は好き?
もちろんだよ。実はこの間、社屋を立て直したんだけど、全て漆喰にしたよ。調湿とか抗菌とかも勿論あるんだけど、やっぱり雰囲気が圧倒的に良い。
工期も価格も掛かるけど、その分素敵な空間になるわね。
漆喰の内装には価値があると思うし、長い目で見ると決して高いモノでもない。もし近くに漆喰内装にこだわった部屋があったら、是非とも体験して欲しい。上質のインテリアとはこういうものだという事が良く分かるよ。
ありがとう。漆喰について良く分かったわ。今度新社屋に遊びに行くわね。
この項のまとめ
・漆喰の工期は他の素材よりも長め。
・工事に掛ける時間とクオリティは比例する。
・漆喰壁なら落ち着く空間に仕上がる。
・寝室とリビングのニーズが高い。
・コストは耐用年数も考慮した方が良い。
・長い目で見れば漆喰壁は高いモノではない。
プロフィール:昭和40年創業の2代目、前職も含めタイルと左官に携わり30年以上の経験と実績。店舗工事や土間工事にも精通している。 「良い物は長持ち」がモットーで、古民家再生など街の困り事を左官の技術を使い解決に取り組んでいる。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:タイル工事、土間工事、外構工事、漆喰・珪藻土 など内外装工事
お薦めのデザイン:ウェーブ系, マーブル系
備考:趣味は山登りとフライフィッシング。自然に触れるのが好きで、最近は野菜作りにハマっています。
<プロフィール>
名古屋市南区出身、酉(とり)年、ふたご座
【好きなもの】寿司、米焼酎、フライフィッシング、ワカサギ釣り、サイクリング、都市伝説、料理
【嫌いなもの】真実を語らないマスコミ、背脂たっぷりのラーメン、嘘つき政治家、添加物たっぷりのコンビニ弁当、やたら甘いラクトアイス
【マイブーム】ルンバの世話
珪藻土は自然素材だから地味?経年劣化でボロボロ落ちるか解説。
稲熊さん、珪藻土壁の工事について教えて、どんな依頼が多いの?
ハウスメーカーもあるし、自然素材にこだわった工務店と両方から依頼はあるよ。
どんな事に配慮して工事をしているの?
お客さんが、性能にこだわっているのか、とりあえず珪藻土を塗りたいのかで材料(商品)も変わってくるよ。
選ぶ材料で性能が変わってくるの?
基本的には、成分で樹脂の多い材料は調湿効果などの性能はあまり高くない、反対に自然素材の珪藻土なら調湿効果が期待できる。
そんなに違うのね。なら自然素材の珪藻土が良いかも。
でも、自然素材の珪藻土にもデメリットがあって、傷や割れは起こりやすい。水に弱かったりもする。
そうなんだ、どの商品にするか悩むわね。
そうなんだ、だから打合せの段階で、メリット、デメリットがきちんと施主に伝えてあるかが大切。
まず珪藻土壁に何を期待するかを整理しなきゃ。
担当者によっては、そうした素材の違いが細かく理解できていなかったりする場合もある。だから自然素材の珪藻土なのに「割れた割れた」と騒ぐ。
割れる可能性が高いのは仕方ないね。
決して工事の手抜きではない。割れるリスクと性能はトレードオフだから。
あとはどんな事に気を付けたら良いかしら?
樹脂が入っている物はカラーも豊富、反対に自然素材の珪藻土は色が地味である事が多い。色選びも含めてトータルで考えた方が良い。
自然素材でも割れにくくする方法は無いかしら。
下地のボードにはビスが打ってある、通常は間隔150~200mmだが、自然素材の珪藻土が割れない様にピッチを100mmで打つ工務店もある。ピッチが細かくなれば下地のズレが少ないので割れるリスクが減るという理論だろう。
珪藻土も塗り壁だから下地が大切という事ね。
それから、漆喰と違って経年で固くなるという性質は珪藻土には無い。だから多少の経年劣化が起こる。剥がれたりという事は無いが、傷が付きやすくなるので20~30年くらいで塗り替えをした方が良いだろう。
分かったわ、ありがとう。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重、静岡など一部)
対応できる工事:内装工事、外壁工事、漆喰、珪藻土、タイル、洗い出し、かき落とし
お薦めのデザイン:コンクリート系, フラット系, スタッコ系
備考:毎朝6時半に職人を見送ってから現場に向かいます。休日は家族で買い物するのが楽しみです。
プロフィール
愛知県名古屋市天白区出身、丑(うし)年、おひつじ座
【好きなもの】手羽先、ビール、モルタル仕事、ドライブ、釣り、温泉、DIY
【苦手なもの】納豆、スポーツ、SNS、初対面なのに馴れ馴れしい人、コミニケーションの取れない人
【マイブーム】ルアーフィシング
漆喰壁の汚れはどうする?セルフメンテナンスについて解説
今度はセルフメンテナンスについて教えて。
漆喰壁の点検ポイントは、クラック が入ったり、表面が粉っぽくなってくる事がある。
ひび割れと チョーキング現象 ね。
漆喰壁のメンテナンスの場合、細かいヒビなら同じような素材で塗っていく事はあるが、また開いてきてしまう事も多いんだ。
ひび割れの深さなど状態によって対応が変わってくるのね。
共材といって、施工した際に材料を貰っておく、タッパーとかに貰っておくと良いだろう。
トモザイ、必ず貰っておかないとね。
保管するなら粉体の漆喰が良いが、練り済みの漆喰だった場合は、必ず密閉して保管する。空気に触れないようにすると良い。
粉の方が管理は楽だけど、自分で寝るのは難しそう。
アルカリ性なので、カビが生える事は無いが、保管に関しては冷暗所に置いておくのが大事。
冷暗所に保管する、メモメモ。
保管自体は他の壁材と比較して保管はしやすい。固まってなければ自然素材なので長持ちする。
自然素材が漆喰の魅力ね。
手垢とかは表面的な汚れは、消しゴムで擦ってみるのが良い、染み込んだような汚れはサンドペーパーで対応する。
そうなんだ、私にも出来るかしら?
番手の細かい紙ヤスリで優しく擦る。番手は400番くらいが良いだろう。200番では荒すぎるだろう。
傷つけないように、優しくやるわ。
カビなんかは漂白剤や重曹で対応するのが最終手段。
そうならない様、清潔を保たないとね。
上から塗料で塗っていく、という人も居るがやめた方が良い。もし上から塗るなら、リフォームのように上から漆喰を塗り直しをする方が良いだろう。
そうなんだ。
基本、内装では塗装はしない、外装は カルクウォール とかで、以前カビ取りした事がある、ミネラルファイン の砂が無いバージョンで対応した。
外壁の場合は塗って対応する事もあるのね。よく分かったわ。ありがとう。
この項のまとめ
・クラック がないか調べる。
・チョーキング現象がないか調べる。
・メンテナンス用の材料を予め貰っておくと良い。
・手垢など表面的な汚れは消しゴムで落ちる。
・それでも落ちなければ紙ヤスリで優しく擦る。
・カビの場合は漂白剤などを使用する事もある。
対応できる工事:漆喰、珪藻土、レンガ工事、タイル工事、ブロック工事、土間打ち、一般左官工事
お薦めのデザイン:オレンジピール系、ウェーブ系、コンクリート系、フラット系
備考:高校卒業後自動車部品工場勤務や飲食店勤務、トラック運転手など紆余曲折を経て25歳で父親の経営する生田左官に入社。(2010年) 色々な経験を糧に職人としての技術だけでなく一人一人に寄り添う工事を心掛けています。
<プロフィール>
愛知県碧南市出身、丑(うし)年、ふたご座
【好きなもの】ラーメン、コカ・コーラ、アメカジ衣料全般、漫画:トークサバイバー(Netflix)、経年変化で輝くアイテム(デニムや革製品)、家族の笑顔
【苦手なもの】意味もなく高圧的な人、費用効果の薄いもの(自分の中で)、予期せぬ悪天候、爬虫類、スープのぬるい麺料理
【マイブーム】オープンカーで愛犬や娘とのドライブ
漆喰壁の補修 どんなトラブルかで補修費用も変わる 色付きの場合の補修は?
漆喰の補修について教えて。
まずは変色、これは素材が劣化したというよりも、表面的に汚れがついたり、水分を伴った汚れが浸潤した場合だろう。
まず、どんな汚れなのか判別しないとね。
汚れについては、消しゴム等で汚れを落とすか、削って上から塗り直すという方法がある。
軽微な汚れは自分で対応しなきゃ。
内装の漆喰壁については、浮きや剥がれといったケースは、最近はほとんどない。
漆喰も技術革新が進んでいるのね。
外部の場合は、クラックに水が浸水し、それで浮いてくるケースはたまにある。あとは壁というよりも屋根や板金の影響で壁に浸水する場合がある。
剥がれていたらどうするの?
浮いた壁材は剥がして部分補修をしていく。
雨が染み込むと後が大変ね。
なので、クラックを見つけたら早めに左官屋に相談した方が良い。
そうするわ。
その他の剥がれの原因としては、「ドライアウト」と言ったりするんだけど、施工時に漆喰の乾きが早すぎて、密着不良が考えられる。
ドライアウト?
でも対応方法が確立されているから大丈夫。下地のシーラーを丁寧にする、そうすれば剥離は起こりにくくなる。これは外壁の話で内装の話ではないけどね。
補修工事はどこにお願いすれば良いかしら。
工務店やハウスメーカーでも対応してくれるが、左官屋が良いだろう。
左官屋さんでも補修をやってくれるのね。
補修個所の写真を撮っておいて、相談にいくと良い。
わかったわ。
色や柄で補修のしやすさ、仕上がりはだいぶ変わってくる。白でなく色のついた漆喰は補修しても色味の違いがある
色の調整が難しいのね。
補修は手間が掛かる、色付き漆喰だと補修費用が高くなる場合もある。
色の選択は慎重にしなきゃ。
小さな部分で有ればDIYでも対応可能な場合もあるし。壁一面だとプロに依頼した方が良い。
状態と面積で判断するわ。
目安としては、畳4枚分くらいがDIYの限界だろう、それ以上だとプロの対応の方が良いだろう。
広いと塗るのも大変。
最近はホームセンターでも、”うまーくヌレール” などDIY用の漆喰を良く見かけるね、プロは粉体の漆喰を使うけど、DIYの場合は練り済みの材料を使った方が良いだろう。
練り済みなら便利ね。
以前、雨漏りから漆喰の補修工事をしたことがある。元々は漆喰自体が原因ではなかったが、色付きの漆喰だったので難しい作業だった。
そうなんだ。
外壁だと経年で日焼けして色が褪せて来る、だから同じ材料を取り寄せて上から塗ったとしても、どうしても色味に違いが出てしまう。
内装と外壁でそんなに違うのね。
それから自分でDIYで漆喰壁をセルフメンテナンスした人から、出来栄えが悪くて相談があって、結局補修の依頼を受ける事もある。
やってみたら意外と大変だったのかな。
そういうケースは結構ある、表面がガタガタな状態で渡されて困る。同じ補修でも余計に大変。もっと早く相談して欲しかったみたいなケースは多い。
早めのジャッジが大切ね。
ぶっつけ本番は良くない。DIYやるなら事前に練習が必要。それから実際に壁にちょっと塗ってみて良し悪しを見る。狭い面積でも難しいなと感じたら作業を止めて直ぐプロに相談して欲しい。
直ぐに相談ね。
乾き切る前なら剥がせるけど、乾き切ると後工程が大変だからね。
剥がす作業、大変そう。
それから稀に一般の方から、撹拌機を貸して欲しいという依頼があるが、やめて欲しい。それが無いと仕事が出来ないし、電動工具なので怪我のリスクもあるし。
扱いが難しいのね。
それとDIYは養生が大事、床と柱、しっかりやる事、養生の手際がプロとの差だったりする。仕上がりの綺麗さに影響する。
養生が肝心ね。
服装は汚れても良い服装、エプロンなどをしても良いだろう。漆喰は自然素材なので、服についたとしても洗えば落ちる。
エプロンなら家にあるわ。
肌が弱い方は手袋をする場合もあるが、そうでなければ手に付着したらすぐ洗い流せば良い。
手荒れは気になるかも。
気になる様ならビニール手袋を使用する。軍手はあまりお勧めしない。手先の感覚が鈍るからね。
そうなんだ。
補修も大規模か小規模かによる、壁一面なら一式で3~6万円くらいが相場だろう。DIYなら材料費と道具の代金で済む。
時間とお金とクオリティで判断しよう。
実は狭い部分の補修の値付けは難しい事がある。面積と難易度による。
そうなのね。
補修しやすいのが平滑、フラット。逆に難しいのが引き摺り仕上げなどは難しい。
色だけでなくパターンも考慮が必要ね。
複雑なパターンほど補修は難しい、「全く同じパターンに」と言われるが、それは無理ですよという回答になる。
手仕事だからね、それは仕方ないよね。
平滑は補修しやすいが細かい傷や汚れは目立つ、対して大柄なパターンの漆喰壁は補修が難しいが、細かい傷や汚れは目立たない。
メリットとデメリットを整理しなきゃ。
パターンや色と補修に関してはトレードオフだから、最終的には好みの問題かな。
分かったわ、ありがとう。
この項のまとめ
・トラブルの分類を判別する。
・内装での剥がれ、浮きは近年減ってきた。
・外壁は水の浸水があるかチェックする。
・浮いた壁材は部分補修できる。
・補修する部分を撮影し相談にいくと良い。
・色付きの漆喰壁だと補修費用は高くなる傾向にある。
・DIYで補修する場合は事前練習が大切。
・補修では色やパターンを完全に再現するのは不可能。
対応エリア:高浜市、碧南市、半田市、西尾市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:漆喰、珪藻土、モルタル外壁、内装工事、外構工事、屋根工事
お薦めのデザイン:コンクリート系, スタッコ系などシンプルなデザイン。
備考:某自動車ディーラーの営業職を経て、2000年に株式会社川幸に入社。以降は新築、リフォーム、補修などの内外装工事に携わり2020年に独立。左官だけでなく屋根など住宅工事全般の多岐に渡る業種に精通する。週末、子供を連れて近所に釣りに行くのが趣味。
プロフィール:
愛知県高浜市、子(ね)年、さそり座
【好きなもの】カニ、ハイボール、釣り、野球観戦、かわぐちかいじの漫画、魚捌き系youtube動画、地元の祭りに参加すること
【苦手なもの】脂ののった刺身、酢豚のパイナップル、ラッキョウ、猫、筆ペン
【マイブーム】土曜日の夜にラーメンを食べに行く
この記事のまとめ
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