「コンクリート打ちっぱなし」は究極のアーバンスタイルなインテリア
建築家「安藤忠雄」がはじめて日本に持ち込んだとされる「打ちっぱなし」と呼ばれるコンクリート調のスタイル。現在では様々な材料が販売されバリエーションも豊かになってきました。ツヤ消しの落ち着いた雰囲気からマーブル調のツヤ有りパターンまでバラエティ豊かなコンクリ調の世界に今回は迫ります。
整った綺麗さよりも、「コンクリートの抜け感」で味わい深い空間が求められるようになった。
無機質な素材ながら繊細で豊かな表情を魅せてくれる コンクリート調 の壁や床(土間)。今では注文住宅の選択肢として一般的なモノになってきました。パターンや施工、打合せの際の注意点。耐久性やメンテナンスの面からも整理してみたいと思います。
部屋をかっこよくしたいならコンクリート調を上手く取り入れよう。
かっこいい コンクリート調 の部屋も憧れます。
最近は性能があがってきて、パッと見で本物の コンクリート なのか、コンクリート調なのか判別がつきにくくなってきたね。良く見ないと遠目では分からない場合が多い。
ところでコンクリート調の事をなぜ「打ちっぱなし」と言うの?
コンクリを枠に入れる事を「打つ」という、だから「打ちっぱなし」。枠に入れて流す、シンプルだけれど、その荒々しさが魅力だよね。
コンクリ調にはどんなタイプがあるの?
均一に仕上げる場合もあれば、斑(まだら)に仕上げるタイプもある、光沢の有る無しもあって面白いよ。
どんな工事が多いの?
ウチの場合は、駐車場のコンクリ打ちを良くやっているよ。
床とか土間は大変そう。
乾きの予測が難しくていつも苦労しているよ、気温や湿度、風向きなどバランスが微妙で難しい。
コンクリ調の工事は難しいの?
工事としては難しい部類になる、職人さんによって技術力が違うし、お客さんの好みや表現方法も違うからね。打合せが重要かな。
壁一面とか床一面だと費用も掛かりそうね。
タイル のコンクリ調もあるよ、グレーでムラがあるタイプだとタイルに見えなくて、無機質のカッコ良い床になる。
面白そう、選ぶ時のポイントはあるかしら?
目地 をライトグレーなどタイルと同系色にする場合もあるし、目立たせたい場合は白とか黒で目地を作るのもアリだね。
目地の色や目地の幅で印象が変わりそうね。
目地とコントラストがある場合は、線が綺麗じゃないと目立つので、工事の技術力が求められるね。
ありがとう、タイルも含めコンクリ調について検討してみるわ。
コンクリ調:ここがポイント
・コンクリート調仕上げの性能は年々あがってきた。
・均一なタイプ、斑(まだら)なタイプがありバリエーションが豊か。
・コンクリート調のタイルも選択としてはある。
・コンクリート調仕上げの性能は年々あがってきた。
・均一なタイプ、斑(まだら)なタイプがありバリエーションが豊か。
・コンクリート調のタイルも選択としてはある。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重、静岡など一部)
対応できる工事:内装工事、外壁工事、漆喰、珪藻土、タイル、洗い出し、かき落とし
お薦めのデザイン:コンクリート系, フラット系, スタッコ系
備考:毎朝6時半に職人を見送ってから現場に向かいます。休日は家族で買い物するのが楽しみです。
プロフィール
愛知県名古屋市天白区出身、丑(うし)年、おひつじ座
【好きなもの】手羽先、ビール、モルタル仕事、ドライブ、釣り、温泉、DIY
【苦手なもの】納豆、スポーツ、SNS、初対面なのに馴れ馴れしい人、コミニケーションの取れない人
【マイブーム】ルアーフィシング
趣味嗜好が合う職人だとコンクリート調の工事は安心
コンクリート調の事をもっと知りたい。
コンクリ調は結構昔から需要があった、店舗で床の合板にコンクリを塗ってほしいという話も多い。でもモルタルだけだと、表面が荒れてくるし、割れるしあまり良くないですよと言ったら、「それでいい」と言われてビックリしたのを覚えているよ。20年くらい前かな。
インテリアの価値観も時代によって変わってきたのね。
未完成というか、汚れやヒビ割れ、経年劣化も味わいとする特殊な分野が出て来た。
いつぐらいから一般的になってきたの?
10年前くらいかな。「モールテックス」のような専用の商材が出て来て、薄塗りでも性能の高い商品が出て来た。
壁紙や塗料でもコンクリ調が人気のようね。
塗料でもムラ感は出せるが、左官の場合はそれらとは違う、他の方法では出せない味わい、表情が豊かというか。無機の材料ならではの独特の味わいが魅力。
選択肢が広がるのは嬉しい。
昔のコンクリ調とは、また違ったものが沢山出てきているよ。
どんなものがあるの?
エイジング の壁はそれまでの平滑の壁と違って正解が一つでない。作業自体は特別難しくはないけれど、正解がお客さん毎によって違う。 ウエス は固く丸くが良いかとなる。
エイジングはかっこいいね。ニーズの多様化で求められる技術も変化してきたのね。
ムラのある仕上げだと、若い職人の方が得意な場合が多いかな、ファッションとかアートに触れて来た文化が近い職人の方が、良い施工してくれる場合が多いかな。
色やムラをどう決めて行ったら良いかしら?
カタログだけで選ぶような物でも無いので、沢山打合せして「思いの丈(たけ)」を語ってください。施工する側も沢山話す事でイメージが湧いてくると思います。
イメージの伝え方も重要ね。
感受性だね、今まで見て来た風景と場数がモノをいう。感受性が発想力にも繋がる。
どんな職人さんに依頼したらイメージ通りになる?
色んな風景を見たもの勝ち、普段とは違う角度から見てみる習慣、それは意識と時間の上手い使い方、フォーカスする部分がヒトと違うような人。見極めが難しいね。
コンクリート仕上げもどんどん進化しそうね。
そうだね。新しいものに触れていく、チャレンジゾーンにどんどん踏み込むタイプ、僕の場合も若い頃、先輩に色んな所に連れて行って貰ったのが今生きている気がするよ。
ありがとう、理想のイメージを伝える方法を考えてみるわ。
コンクリ調:ここがポイント
・不揃いなオリジナリティを楽しむ文化。
・エイジング処理など特殊な加工も増えて来た。
・イメージの違いが出ない様に打合せはしっかり。
対応エリア:岐阜県、愛知県、三重県、但し条件合えば どこでも行きます。
対応できる工事:漆喰(内装)、珪藻土,壁の補修(内装),リフォーム工事(内装),漆喰(外壁),モルタル,壁の補修(外壁),リフォーム工事(外壁),ジョリパット(外壁),大壁工法,しらす壁,そとん壁,かき落とし,洗い出し,タイル工事,一般左官工事,塗装(ペンキ),乱形石
お薦めのデザイン:コンクリート系、フラット系
備考:バンドに夢中で大学中退後もまともに就職してなかったが、 当時のメンバーに薦められて、彼の勤めていた塗装店に職人として入社。 三年経った頃、当時の取引先社長から「ウチの会社で営業してみないか?」 と誘われ転職する。 そこの会社はマンションの大規模修繕を営む会社で、 その頃に塗装工事のノウハウを叩き込まれる。 10年勤めた頃、仕事への方向性が合わなくなり退社。 次の勤め先を決めずに退社したので、一年ほど人材派遣に頼りながら生活し、 その後左官工事店に入社。そこで左官工事を学ぶ。 8年勤めた頃に残念ながら倒産し、それを機に独立し現在に至る。
<プロフィール>
愛知県江南市出身、巳(み)年、てんびん座
【好きなもの】麻婆豆腐、ハイボール、音楽:new jeans、バイクDucati:mh900e、車:landrover:defender、脚本家:宮藤官九郎、映画:役所広司 すばらしき世界
【苦手なもの】月曜日の朝、冬場の静電気、ホヤの食感、デリカシーの無い人、食券機の店
【マイブーム】中華鍋を使った料理を作る事
近年注目されているモールテックス、施工可能な箇所とメンテナンスを左官のプロが整理してみた。
間宮さんはいつぐらいからコンクリ調の工事をしているの?
今は昔と違って色んな商品があると聞いたわ。
コンクリ調の仕上がりの表情は色々ある中で、商品自体はそこまで劇的な違いは無いかな、それよりも施工者の技術による違いの方が大きい。
どんな箇所にも工事できる?
耐久性については色々あって、昔は水回りの工事で割れたりしていた、今はノウハウが溜まってきて水回りはやめた方が良いとかなってきたし、保護材のトップコートを塗ったりして割れにくい仕上がりになっている。
保護材で耐久性を高めるのは重要ね、コンクリ調の仕上げは価格も高いイメージがあるし。
昔はカウンター1台でも25万円以上掛かっていたが、セニベトンだと3割くらい安くできる、充分手が出る価格になって来たかな。
どんな工事が人気ですか?
洗面カウンターとキッチンカウンターが多い、アクセント壁も増えて来たね。施工事例の記事もアップしているから写真など見るとイメージが掴めるよ。
コンクリ調だとクールで良いね。
家具に施工するとカッコイイ、インテリアの良いアクセントになる、光沢のあるタイプだと目を引くよね。
お薦めの仕上げはある?
ツヤがあるタイプで、ムラはおとなし目のモノがオススメ。少し色を入れても面白い。
アイランドキッチンなんかも良さそう。
「火の回りに塗れるか」という問い合わせが昔あったけど、塗る事自体は出来るが、汚れが落としにくいので止めた方が良いですよと伝えている。
そうなのね。
ムラとかツヤは個人によって感じ方や表現方法が違うので、サンプルを見比べながら決めてね。
サンプル見比べて仕上がりを想像するの楽しそう。
ツヤ無しは時々問い合わせはあるけれど、やっぱりツヤありが多いかな。メンテナンスの観点ではどちらも変わりないけれどね。
メンテナンスは必要なの?
ぶつけて角が欠けたりする事もある、補修は出来るけれど、どうしても色味の違いは出てしまう。
補修工事の依頼は多いの?
補修の依頼自体は余り無いかな、下地が割れてしまった影響で クラック が出て対応した事は一度だけあったけど。
補修跡は目立つかしら?
これはコンクリ調だけに限った事では無いのだけれど、色が濃ければ濃いほど、色合わせは難しくなる、なのでカラーを決める時には良く検討してね。
段々イメージが整理出来て来たわ。
モールテックス、セニベトンなど色んなメーカーから材料が出ているので比較検討してみて下さい。サンプルを取り寄せて自分に合う物を見つけて下さい。カラーバリエーションが多い商品もあるので楽しい。茶色とかベージュだと大理石っぽくなるし。
マットなコンクリ調か、ツヤ出し大理石か、とても悩むわね。
コンクリ調:ここがポイント
・2015年以降でコンクリ調の需要が特に高まった。
・以前は高級な素材だったが、現在では手頃な素材も増えて来た。
・保護材(トップコート)で定期的なメンテナンスをすると良い。
・色が濃いと補修の際には色合わせが難しくなる。
対応エリア:高浜市、碧南市、半田市、西尾市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:漆喰、珪藻土、モルタル外壁、内装工事、外構工事、屋根工事
お薦めのデザイン:コンクリート系, スタッコ系などシンプルなデザイン。
備考:某自動車ディーラーの営業職を経て、2000年に株式会社川幸に入社。以降は新築、リフォーム、補修などの内外装工事に携わり2020年に独立。左官だけでなく屋根など住宅工事全般の多岐に渡る業種に精通する。週末、子供を連れて近所に釣りに行くのが趣味。
プロフィール:
愛知県高浜市、子(ね)年、さそり座
【好きなもの】カニ、ハイボール、釣り、野球観戦、かわぐちかいじの漫画、魚捌き系youtube動画、地元の祭りに参加すること
【苦手なもの】脂ののった刺身、酢豚のパイナップル、ラッキョウ、猫、筆ペン
【マイブーム】土曜日の夜にラーメンを食べに行く
「打ちっぱなし」は本当は「打ちっぱなし」では無い?コンクリ調の仕上げ方は様々になった。
田口さんはコンクリ調の仕上げ工事は得意?
コンクリ調だとデコリエやモールテックスが多いかな、あと色合わせ補修は結構依頼があるよ。
新築の工事が多いの?
左官と言うよりも工事としては塗装に近いが、古いコンクリの リノベーションもやっているよ。
他にはどんな工事をしているの?
擁壁もあるけど、リノベやリフォームだけでなく、新築の粗隠しも多い。
「粗隠し」ってどんな工事?
綺麗に見栄え良くする工事だよ、コンクリートを枠に流し込むだけだとデコボコがあったりするので。店舗だとプラスターボードをコンクリ調にすることも多いよ。
補修工事もやるの?
やっているよ。補修については昔は専門的だったけれど、今はメーカーの研修もあったりして一般的になったよね。
どんなメーカーがあるの?
フッコー なんかも出しているし、エスケー化研 もある。どちらかというと左官材でなく塗装材に近いけど。
左官屋さんでも塗装屋さんでも補修は依頼できるの?
面状 が悪いと左官の領域だね、補修箇所が小さければ塗装屋さんでも出来る場合もある。
刷毛(ハケ)なのか 鏝 なのかによるけれど、補修部分の大きさで分けられる、小さければ塗装屋さんでも出来るが、大きければ左官の領域。それから外部全般は左官の領域。
難しい工事はどんな工事?
床の粗隠しかな、土間打って綺麗にしたり、柔らかい骨材の場合は、上から固い材料でコーティングする。
土間はやっぱり難しいのね。
土間や床で、陰影を希望する方もいるけれど、強度を出そうとすると、どうしても均一になってしまうので事前の説明が必要かな。
工事のトラブルはあるの?
以前、コンクリート床を陰影のある モルタル で仕上げたけれど、やっぱり変だ、イメージと違うと言われ、平滑仕上げにやり直した事があったよ。ムラの感じ方って人によって違うからね。色の濃さによってもムラの感じ方が変わるし。
仕上げや補修をしない場合もあるのかな。
均一のムラに仕上げる様とすると生コンクリートの乾きでは実現できない、細かなニュアンスの仕上がりを求めるなら、仕上げや補修は絶対に必要。何もしないと粗々すぎて魅力の範疇を越えてしまうので。
そうなのね。
これは保護の観点からも必要で、なので綺麗に仕上がっている壁は、殆どが仕上げや補修をやっている。コンクリを流して勝手に仕上がっている訳では無いんだよ。
「打ちっぱなし」といっても、どんな仕上げにするかで変わってくるのね。
コンクリ調:ここがポイント
・モールテックス、デコリエ など様々な材料が出て来た。
・リノベーションでコンクリート調の需要が高い。
・綺麗な「打ちっぱなし」は必ず仕上げ処理がしてある。
プロフィール:昭和40年創業の2代目、前職も含めタイルと左官に携わり30年以上の経験と実績。店舗工事や土間工事にも精通している。 「良い物は長持ち」がモットーで、古民家再生など街の困り事を左官の技術を使い解決に取り組んでいる。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:タイル工事、土間工事、外構工事、漆喰・珪藻土 など内外装工事
お薦めのデザイン:ウェーブ系, マーブル系
備考:趣味は山登りとフライフィッシング。自然に触れるのが好きで、最近は野菜作りにハマっています。
<プロフィール>
名古屋市南区出身、酉(とり)年、ふたご座
【好きなもの】寿司、米焼酎、フライフィッシング、ワカサギ釣り、サイクリング、都市伝説、料理
【嫌いなもの】真実を語らないマスコミ、背脂たっぷりのラーメン、嘘つき政治家、添加物たっぷりのコンビニ弁当、やたら甘いラクトアイス
【マイブーム】ルンバの世話
この記事のまとめ
タイル や レンガ、天然石など無機質な素材の中でも近年急激に需要を伸ばしてきている「コンクリート調」の仕上げについて左官のプロに解説して頂きました。
商品も少量で施工できる職人さんも少なかった時期に比べ、今では様々な選択肢として重宝されているコンクリ調の仕上げ。
しかし、安価になり選択肢が広まった分、イメージの違いによる工事のトラブルも増えそうな懸念があります。
まずはカタログや色んな物件を見ながらご自身のイメージを膨らませて下さい。そして趣味嗜好が合いそうな職人さんに依頼できると理想の住宅に近づくと思います。
そしてもし「コンクリ調」の工事の事で分からない事、困り事があれば「KABE-DAN」にぜひ相談してみて下さいね。