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かき落とし仕上げは自然素材の高級な外壁、リシンとの違いも解説。

かき落としはタイミングが重要

かき落としは見た目も良く耐久性の高い外壁、性能や工事のポイントを徹底解説

デザイン性が良く、高い性能を持つ外壁として古くから親しまれてきたかき落とし。しかし、コストや工期の面で工事の件数自体は減少傾向にあります。 それに伴い、「掻き落とし」の読み方が分からないという方も増えてきました。
かき落としは職人の技術力、経験、センスによってその出来栄えは大きく変わってきます。 似たような仕上がりにリシンがありますが、見事に仕上げられたかき落としの見栄えは他の仕上げにはない重厚感があります。 という事で、今回は立派な邸宅の外壁には欠かせないかき落としについて解説していきます。

かき落とし

かき落としは高級な外壁仕上げ、見た目だけでなく性能も良い。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの外壁って素敵ね、どんなモノなのか教えて!

taguchitaguchi

古くからある、具体的に何年前かは覚えてないけど親父の代からやっていた。外壁工事としてはとても手間が掛かるので頻繁にある工事ではなかったけど、昔から人気の有るのが掻き落としだ。

小手村 凪子小手村 凪子

そんなに昔からある外壁仕上げなのね。

taguchitaguchi

自宅も7年前にかき落としの外壁にした。なぜかき落としにしたのか?とても仕上がりが綺麗で、性能も良い、厚塗りなので対候性が有って、だから自宅だけでなく、社屋もかき落とし

小手村 凪子小手村 凪子

見た目だけじゃなくて、性能も良いのね。

taguchitaguchi

1cm塗って、掻き落していく。だから材料の量も多く使用する。普通の塗り壁の3倍くらいの材料を使う高級な仕上げだ。

小手村 凪子小手村 凪子

3倍も使用するんだぁ、凄いね。

taguchitaguchi

大き目の骨材を使用すると厚みが出て、壁の強度も高くなる。日光の紫外線を防ぐ役割がある訳だ。

小手村 凪子小手村 凪子

骨材選びも重要ね。

taguchitaguchi

ウチは自宅も社屋も日本プラスターのかきリシンを使った。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなんだ。

taguchitaguchi

奇抜な色でなく、シンプルで落ち着いたトーンの色を選んだよ。茶系、ベージュ系は色んなシチュエーションに合わせ易い。No7だったかな、とても良い風合いだよ。

小手村 凪子小手村 凪子

屋根とか周りの景観などと色調を合わせたいわ。

taguchitaguchi

寒水石の7番や5番、細かい骨材だと仕上がりは滑らか、反対に大きな骨材だと荒々しくワイルドな仕上がりになる。

小手村 凪子小手村 凪子

面白そう、迷うわね。

taguchitaguchi

最近は、かき落としの工事は少なくなってきたけど、丈夫で長持ちだからコアなファンはいる。一方で新しい商品だと「かき落とし風」のような商品も出てきているよ。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなのね。

taguchitaguchi

ジョリパット なんかでも、鏝で仕上げれば、かき落とし風に仕上がる素材がある。

小手村 凪子小手村 凪子

いろんな商品があるのね。

taguchitaguchi

溶剤なので、かき落としの自然素材とは性質は違うけどね。

小手村 凪子小手村 凪子

あくまで見た目(風合い)が重視という場合もあるわね。

taguchitaguchi

リシンは通常、モルタルに混ぜてモルタルリシンという。これも増えてきた。

小手村 凪子小手村 凪子

いろんなバリエーションが増えたのね。

taguchitaguchi

軽量モルタルとの相性は良い。そとん壁 の仕上げもこれに含まれるかな。

小手村 凪子小手村 凪子

そとん壁は以前教えてもらった外壁素材ね。

taguchitaguchi

工事は、やはり経験が必要。一番のポイントは「掻くタイミング」だね。乾く前だと上手く掻く事ができない。反対に乾きすぎるとガラガラと落ちすぎてしまう。

小手村 凪子小手村 凪子

タイミングが命ね。

taguchitaguchi

気温や太陽の向き、風向きを計算しながら工事をしないと上手く仕上がらないんだ。

小手村 凪子小手村 凪子

職人の勘が重要ね。

taguchitaguchi

下手だとムラが出てしまう、そうなると光が当たるとムラが目立つ。ムラも味わいと言えるかも知れないけど。

小手村 凪子小手村 凪子

田口さんは、掻き落としは好き?

taguchitaguchi

外壁だはかき落としが一番オススメだね。カッコイイ外壁になるし、何といってもメンテナンスフリーだからね。

小手村 凪子小手村 凪子

それは良いね。

taguchitaguchi

30年~40年は持つと思うよ。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなんだ。

taguchitaguchi

工期の問題で減っていっている、それから施工者の技術の違いが出やすい。そうなるとハウスメーカーや工務店が扱いたがらない。

小手村 凪子小手村 凪子

えっ!?そうなの?

taguchitaguchi

そうなんだ、だから代わりに外壁に印影を出す為に、失敗が少ない「かき落とし風」を使う事が多い。やっぱり印影があると住宅に高級感が出るからね。

小手村 凪子小手村 凪子

本物を選択するか、風を選択するか迷うかも。

taguchitaguchi

大きい骨材の方がムラが出やすい。かきムラと言うんだけど、骨材が小さければムラは出にくい。

小手村 凪子小手村 凪子

骨材も仕上げの難しさに関係するのね。

taguchitaguchi

陰影は上手く出せれば綺麗だけれど、上手くいかないと汚く目立つ。

小手村 凪子小手村 凪子

経験だけでなく、センスも問われそうね。

taguchitaguchi

吹き付けでも似たようなテイストに出来るものもあるし、選択肢は広がってきた。

小手村 凪子小手村 凪子

吹き付けタイプもあるの?選択肢が多すぎて、頭が混乱してきた。

taguchitaguchi

ジョリパット だと仕上げだけ4000円くらい、かき落としの方は倍くらいで8000~9000円くらい。あくまで仕上げだけの価格だけど。

小手村 凪子小手村 凪子

下地とは別の価格目安という事ね。

taguchitaguchi

それから耐用年数については、これは何を以って耐用年数とするかにもよるけど、見た目だけの話をすると、かき落としの場合は自然素材なので半永久的かな。ペンキとかと違って塗膜がある訳では無い。

小手村 凪子小手村 凪子

かなり丈夫なのね。

taguchitaguchi

もちろん、躯体や下地の影響でトラブルが起きる場合があるけど、かき落としの素材自体が劣化する事は殆ど無い。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としについて良く分かったわ。ありがとう。

この項のまとめ

・かき落としは高級な外壁仕上げ。
・厚塗りなので対候性が高く、丈夫。
ジョリパット など掻き落とし風の新商品も出てきた。
・人気の そとん壁 もかき落とし仕上げに含まれる。
・工期は長め、施工技術が求められる。

田口業務店
taguchi tokiiku

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技術次第で掻き落としの仕上げは変わる。

掻き落とし、読み方だけでなく工事も難しい。リシンとの違いを開設

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの商品について教えて。まず、魅力的なところはどんなところにありますか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

そうですね。かき落としは、読んで字のごとくモルタル塗りつけた表面を完全に乾く前に、代表的なのは生け花に使う剣山ですけど、あれをガリガリ削っていくことによって、中の骨材がちょっと出てくるっていう本当に多分あの表情っていうのは唯一無二で細かい凹凸のある深みのある表情っていうのが、すごく魅力的なのかな、繊細でもまた奥行きもあるっていうところっていうのは、なかなか他の仕上げではできないんじゃないのかなって気がします

小手村 凪子小手村 凪子

ちなみに、かき落としと 洗い出し だと、工事の感覚的にどう違いがあるんですか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

実は洗い出しっていうのも本当はなんて言うんでしょう左官屋の仕事じゃなくて、石屋さんみたいな人がコツコツコツコツその削り出して、やってた作業らしいんですね。それをいわゆる左官屋さんでも簡単にできるように、モルタルの中に混ぜ込んで表面を水で洗うことによって、表面を出すっていう作業に変わったっていうのがある、どうも諸説あるんですけど、洗い出しと言うんですよ、

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

で、そう言った意味で言うとあの洗い出しっていうのはその最初このコツコツコツ削りです。だから、そのかき落としで、その作業が似てるのかどうかっていうのは、捉え方にもよるんですけど、あの洗って流して簡単にできるようにっていうのと、後、かき落としっていうのは、どうも大正時代にドイツからあのやっていた、あのリシンプッツっていう仕上げ材が、かき落としの仕上げの元だったっていうのが由来みたいなんで、ちょっとそこら辺が大きく違うのかなっていうところですかね。ちょっと似て非なりっていうところでしょうか

小手村 凪子小手村 凪子

なるほど結構な力がいるんですか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

それこそ、そのタイミングでですね、塗っていて、おっしゃる通り、時間が経ちすぎると全然削れないってことになっちゃうんですね。時間が早いとポロポロ落ちてきちゃうんで、ダメっていう風になるんでそこがすごくなんて言うんでしょうか、だから職人さんの経験値に委ねられるっていうところが難しいところの一つでもありますね。だからいいタイミングでいけば、そんなに力入れなくてもガリガリガリガリガリ削れていくものです。

小手村 凪子小手村 凪子

わかりましたその後にリシンが登場したようなんですが、年代でいうと何年頃でしょうか?どういう背景でリシンというものが登場したんでしょうか

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

そうですね、リシンっていうのが、そのやっぱりこの今申し上げた、このかき落としっていうのが、すごく経験値の高い職人さんじゃないとできないこととか、職人さんの経験値に委ねるっていうことが多い。そういう仕上げ方程、やっぱり高価なんですね高いっていうのかなっていうところで、なんとか風合いを簡単にできないかっていうところで生まれたのが、今の吹き付けリシンで単価も全然比べもならない何百円ぐらいの単価なのでリシンの吹き付けは背景としては何十年ぐらい前ってのがちょっとピンとこないんですけど、ただ、何十年も前からいわゆる言い方があれですけど、建売の外壁の吹き付けの代表といえばいまだにリシンなので、かなり古い。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

私が塗装業界にいた頃からあるので、50年じゃ効かないんじゃないのかなという気はしますけど、いわゆる団地のブームってあったと思うんですけど、団地のブームの時にはすでに使われてますんで、かなり古い気がしますね

小手村 凪子小手村 凪子

安い分メンテナンスが必要だったりとかっていうデメリットもありますか

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

そうですね、おっしゃる通り安い分まず色の劣化というのか、塗膜自体の劣化も非常に早いですね。

小手村 凪子小手村 凪子

ところで「掻き落とし」って漢字が読めないですよね。どういう説明をお客さんにしてますか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

表面に塗った材料を爪で引っ掻き落とすような言い方をします 。

小手村 凪子小手村 凪子

では続いてテクスチャーの部分、それからどんな職人さんに頼んだらいいか、結構種類が豊富というか、センスが問われるそうですね

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

先ほど言った、まず道具、風合いっていうのが道具にもよってくると思うんですけど、剣山で結構ダイレクトにガリガリガリガリ削ってくるのもあれば、ワイヤーブラシみたいなので、横にラインを残しながら繊細に落としていくというやり方もあれば、かき落とす前に櫛で横にラインを出しておいてから、それでまた表面を柔らかくワイヤーで削り落としたりとか、模様に関しては、色々バリエーションがあるんじゃないかなと思います。

小手村 凪子小手村 凪子

作業自体はかき落とすっていう感じになってしまうので、幅はその分狭まりはしますけど、単にガリガリやっていくだけではないかなという気がしますね。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

職人さんの選定は、必ず経験者というのか、経験者で、かつ僕がその方が施工した仕上がりを見てない限りは、頼まないっていう感じでしょうかね。 さっき、ちょろっと出たリシンの吹き付けなんかだと、もう別に誰にでも頼んじゃうんですけど、かき落としはちょっと知らない人には頼めないかなっていう感じです

小手村 凪子小手村 凪子

わかりました。おすすめのカラーとかってありますかそうですね。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

やっぱ土というのが、そのモルタルの色でいろいろってあるんでしょうけど、僕はやっぱり本来の土の色っていう、言い方したらいいんでしょうかね、それが一番あの感じが出るかなと思います。ただあの白いかき落としだと白っぽい攻めにしたかき落としとか、あと中に細かいあの化粧の石 なんか入れたかき落としも凄くセンスがでいいかなという気がしますね。

小手村 凪子小手村 凪子

壁の色が、経年で変わってきますか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

基本的には変わらないです。全然メンテナンスもフリーで、あると言えばやっぱり塗ってその表面を塗り占めるわけじゃなくて 逆にかき落とすので、ポロポロ落ちやすいっていうのはデメリットではあると思いますただメンテナンスがいらないとないって申し上げたのは、あの樹脂が入っている訳じゃなくて、基本、無機のものしか使ってないので劣化はないかなっていう、そういう意味ですね。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

リフォームでよくある失敗で、リシンは上からリシンで塗った方がいいけども、かき落としは上から塗らない方が良いという話があるみたい。なんでそういうことになっちゃうんですかね

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

多分ですが、僕は左官屋なので、かき落としの風合いとかに深みを感じるんですけど、そういうこと全く関係ない人もいる。その人が感じている困りごとが全てなので、例えばポロポロさっき申し上げた

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

落ちるとかっていうのをどうにかしたい、やっぱりそこがズレるんで、本来はこういうものだよって言っても全然その人には無関係。例えば、レンガでできたこの外構があって、それがその苔ととかが生えてきて、時代を感じるような感じになると、それは趣きでしょっていう捉え方をする人と、そのコケで汚れて嫌だ、と両方いたりするんで、まぁモッタイナイなーって思いながら、もうその人がそれでいい、解決されるんだったらっていうところでしょうかね。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

相性が悪くて、後々に不具合が発生するよってことは、勧めないんですけど、それ以外のことだったら、一応これもどうです。味だと僕なんかはすごいなって思うんですけどね。って一言二言を言っても「そう?」みたいな感じになっちゃうんで、そこはお客様のご意向で聞くに最終的にはなっちゃいます

小手村 凪子小手村 凪子

そもそも、そういう場面を立てる時に想定できてなかったり、説明がなかったりしたのかもね?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

恐らく、そういう人って自分が建てた住宅じゃないんですよ。代々のとかそういうところが多いんですよ。だから余計、その自分が設計とかしていいやつじゃないので、余計思い入れもなければ、ただ表面が綺麗になればいいっていうところなんじゃないでしょうか?

小手村 凪子小手村 凪子

では、おすすめのかき落とし骨材の大きさだったりとか色とかどんなものになるでしょうか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

さっき、ちらっと申し上げたあの細かい細かめの砂利って言うんですかね。骨盤の石って言うんですよ。それを混ぜておいて、剣山じゃなくて、ワイヤーブラシワイヤーブラシで細かく横にラインを入れて表面の中に入っている石の色だとか、形が微妙にキラキラ出てくるぐらいに削り出すっていうのが、僕は今まで見た中で一番かっこいいなっていう風に思いました。室内(内装)でしたが。

小手村 凪子小手村 凪子

そんなにキラキラ見えてくるものなんですか?

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

内容によってですね。かなりその時は、こうやってやって、ああやって、っていう指導を受けながらやったっていう経緯はありました。配合から何かを教えてもらって、一般的なかき落としっていうと本当にガリガリガリガリって、本当に細かい凹凸があってっていうぐらいのものなんですけど、中にやっぱり何か入れることによって、またちょっと変わって、全然見えるかなっていう繊細さも加わるかなっていう気がしました。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

このかき落としって、さっきも述べました、まず塗ってしまって、かき落とす程度に乾いたら、掻いていくっていうタイミングが、すごく大事になってくるんですね。そうすると冬場と夏場で乾き方って全く変わってくるので、どんどんどんどん塗っていって、どんどんどんどんかき落とせれるかっていうとそうでもなくて、夏場にどうしても、今日中に仕上げなくちゃいけないっていうことになって、ちょっと無理な塗り付け方しちゃったでかき落としてたんですけど、最後の面をやるときに乾きすぎて、かき落とせれなくなっちゃいまして 結果、塗ったのを全部剥がしてまたやり直したっていう、面白いこともなんともないんですけど失敗談がありました。

小手村 凪子小手村 凪子

逆算してから塗らないといけないですね。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

そういうことです。夏場なんか朝から8時から5時まで時間があったとしても この時間から塗ってももうできないよね。夏でも冬でももうこれ以上できないよねっていう、これ以上早く塗るなって、どんどんどんどん塗ったって追いつかないよとか、今から塗っても逆に乾かないよとか、なので逆算しながら様子見ながら塗っていくっていうのが、すごくポイントになるんじゃないかなって気がします。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としは、冬だとどれぐらい待つんですか。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

冬は待つというよりも、多分、午前中仕事して昼一から一面塗ったらもうそれ以上は多分塗らないと思います。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

もう15時過ぎてから塗るってことは、多分乾かないので塗らないですし、もっと言うと、ギリは乾いてかき落とせたないってなっても。夜寒くなっちゃうとそれこそモルタルの白華ということにつながるので、冬はこの1日あってもすごくかき落としの作業ができる時間というのが短い感じです。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの素敵な物件を実際に見てみたいわ。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

名古屋の東区の二葉館で川上貞役子の物件が、昔のかき落とし風でそんなに全くの昔のやり方ではないですけど、細かい石のかき落としで、ブラシでこう表面だけを削ぐっていうのは、大春町の花花とかがそのかき落としはなかったでそれから、うなぎ屋さんの白川っていう、裏木の白川入れるところも結構あちこちでつながっている。それこそ、市政資料館も結構あちこちに、そういうかき落としがあった気がします。

タニザワ ユウジタニザワ ユウジ

名古屋の旗屋町の厚坂旗屋町の、昔の歯医者さんの外壁に本当にボレボレしました。昔の竹串でこうモルタルを壁にぶつけたような仕上がりでした。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としについて詳しくなったわ、ありがとう。

この項のまとめ

・かき落としは細かな凸凹が魅了的な仕上げ。
・大正時代にドイツ建築を手本に生まれたという説がある。
・難しいかき落としを簡単にという経緯でリシン(吹き付け)が生まれた。
・リシンは経年で色落ちするデメリットがある。
・ワイヤーブラシで構かくラインを入れる場合もある。

合同会社 鏝志
タニザワユウジ

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かき落とし

かき落としの工事はタイミングが命、粒の大きさで外壁の表情は変わる。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの工事で気を付けられている事を教えてください。

稲熊サトシ稲熊サトシ

道具に関しては通常モルタル工事なんかで使うような道具、コテとか刷毛はみんな同じようなものを使ってやるんですよね。で骨材ってなるとその仕上がりのイメージに合わせて、この骨材の大きさを変えるんですよ。例えば、三厘(1mm)だったり五厘(1.5mm)だったり七厘(2mm)だったり、もしくはもっと大きくっていうと一分とか、その仕上げのイメージに合わせたサイズに変えて配合します。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなんだ。

稲熊サトシ稲熊サトシ

出来合いの材料もあるんですけど、骨材は練る時に混ぜるっていうタイプのかき落としがあるんですよ。

小手村 凪子小手村 凪子

両方あるのね。

稲熊サトシ稲熊サトシ

粉だけで売ってて、こちらで寒水石を配合してっていう、メーカーによってそれはあの様々なんですけど、そういうのを使うと、この骨材もいろいろサイズを変えれるんで、意外と仕上げのこの表情の幅が増える。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなんだ。

稲熊サトシ稲熊サトシ

骨材のミリ単位の大きさで表情が変わってきます。

小手村 凪子小手村 凪子

ミリ単位。。。

稲熊サトシ稲熊サトシ

もう三厘と五厘だけでも、もう全然パッと見れば、もう分かるぐらいあの違いますね、一般の方が見ても分かると思います。ただ、骨材を大きくすればするほど厚く塗らないといけないし、塗るのが大変になってくるんですよ。

小手村 凪子小手村 凪子

工事のチェックポイント、見学会とか、色んな物件見見る時のポイントというのを教えて。

稲熊サトシ稲熊サトシ

そうですね、やっぱり角が綺麗にまっすぐ通ってるのかっていうのと、陽が横から当たった時に綺麗に平滑に削れてるかどうか、意外とあの塗り方が悪くて、かき方が悪いと結構壁がボコボコしてるんですよね。平らになってないというか、その辺もやっぱり注意して見る部分だとは思いますね。

小手村 凪子小手村 凪子

正面から見たら分からない?

稲熊サトシ稲熊サトシ

分からない、横から陽が入った時に一番よく分かるんで、朝、建物向き向いてる方向にもよりますけど。そこが職人さんが上手が下手か慣れてるか、慣れてないから見るべきポイントなので、施工する側も、ここは横陽が当たるから、気を付けて塗るっていうのはやっぱりあります。

稲熊サトシ稲熊サトシ

施工者もそれを知っていて、注意して施行する。

稲熊サトシ稲熊サトシ

なので、その陽が当たるタイミングに塗れる時間を合わせられるなら、そのタイミングに塗れば目で見て分かるんで、平らかどうかが日当たりの時間帯に、そこを目で見て分かる、だから職人によっては、ゴールデンタイムが来るって言います。

小手村 凪子小手村 凪子

それをゴールデンタイムという言い方をするのね。面白い。

稲熊サトシ稲熊サトシ

かき落としっていうのは、まず通常上から順番に壁に塗っていきます。塗っててある程度乾いてから剣山みたいなので、バリ掻けないですよね

稲熊サトシ稲熊サトシ

それがある程度、乾かないと綺麗にバリ掻けないですよね。最初に塗った順番から基本乾いていくものなんだけど、なぜか下が乾くっていう時もあるんですよね。塗ったところよりも、あとに塗ったところが乾く場合があるんですよ。 もうそうなってくるともう結構書くのが大変で、風が当たるとか、風がたまたま抜けるところとかなので、上じゃなくて下が先にかわいっていうこともあるんで、なので上は乾いてるかどうか気にしてると、それが結構もう書けなくなってるような時はありますね。

小手村 凪子小手村 凪子

カチカチになっちゃう?

稲熊サトシ稲熊サトシ

そういう時は慌てますね、かき落としの仕上げでは、弁当を持たずにコンビニでおにぎり買って食べながら掻くみたいな事が、まあまあ有ります。

小手村 凪子小手村 凪子

休憩させてもらえない訳ですね

稲熊サトシ稲熊サトシ

食事もさせてもらえない、冬だとそうでもないけど、夏はそうですね。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落とし工事でトラブルとかあるの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

昔、杁中(いりなか)の辺りで、夫婦共にお医者さんの方が見えて、そこの家をかき落としを全部やったんですけど、そこは見本を四十個ぐらい作りましたかね。奥さんがすごく優柔不断で決めれなくて、メーカーに行って、もう何回も特集色を頼んで、その特注色を元にいろんな骨材のサイズを入れたりしてい仕上げ作って、結局決まったって言われたので材料発注して、いざ現場行ったら違う品番が来てたんです。びっくりしちゃって建材屋に電話して、そしたら知らない間にお客さんが色を変更してて、建築屋さんがメーカーに、直接この色になったっていうやり取りをして現場入れてるもんで、こっち全然知らなくて、という事があった。もうあの現場は多分一生忘れないですね。

小手村 凪子小手村 凪子

やっぱり季節によってスケジュールが変わってくるの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

かき落としっていうのは、その名の通り、掻いて落とすんで、乾かないと掻けないですよね。なんで冬の時期だとどうだろう、よく塗って11時まで。それ以上塗っちゃうともうその日に掻けないんですよ。乾かないんで11時までに塗りつけて、それからもう昼休憩にして14時から掻き出す、そんな感じ。夏は逆に乾いちゃうんで、逆に昼の休憩が取れない感じでどうだろう、15時ぐらいまで塗れちゃうんですよね

稲熊サトシ稲熊サトシ

なので、結構、夏と冬でやり方がガラッと変わってくるっていう仕上げですかね。時間の使い方が違うんです。

小手村 凪子小手村 凪子

どんな職人さんに依頼すれば良いの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

丁寧な人が良い。案外、大胆な人は結構このガッと掻いちゃうんですよ。本来は表面を落とすように掻かないといけないですよね。ただ職人によっては結構力を入れてガっとこう掻いちゃうと そこだけが深くえぐれるですよね。なんでどちらかと言うと丁寧にやるタイプじゃないとだめですね。

小手村 凪子小手村 凪子

それは経験の差もあるんですよね。

稲熊サトシ稲熊サトシ

いや~、これはもう性格ですね。ベテランでも結構ガっと掻いちゃうですよね。どうしてもここで力が入っちゃうっていうか。均等に落とせないというか、やっぱりなんか癖があるみたいで、そういう職人さんの特性で、そうすると横から見るとちょっとボコボコに見えちゃうというか、そういうのがある。

小手村 凪子小手村 凪子

工期っていうのは、例えば、玄関20平米ぐらいであれば、どれぐらいかかるの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

そうですね二十平米なら。それこそ二人いれば一日でかき落とし自体は行けちゃいますけど。

小手村 凪子小手村 凪子

下地は別ですね

稲熊サトシ稲熊サトシ

そう別ですね。ただ掻き落としっていうのはコーナー定木をあんまり使わないんで、北の壁を塗ったら、その日に南の壁を塗るとか。定規で切るんですよ。定規で切ってやるんで、この次は反対で、また西と東っていう風で進めていくんです。

小手村 凪子小手村 凪子

方角で塗っていく?

稲熊サトシ稲熊サトシ

なので、ちょっと進め方、通常のモルタルとかとは、やっぱりやり方が変わってくるんですかね。手順に関しては、まず塗りつけて、通常はモルタルのように塗り付けて、場を整えて一度頭を貼るんですよね。 フラットに一度しておいて、それで乾くのを待つ。それが冬だとそこに尚且つホウキでこうちょっと筋を入れるんですよね。 乾きやすいちょっと凹凸を作っておくと風が当たる面積が増えるので、こう優しくホウキで筋を入れておくと冬は乾きが早い。 もしくは遅く塗った下の方だけ入れるとか、ちょっとそういう感じではやってます。

小手村 凪子小手村 凪子

ホウキを使うのは知らなかった。

稲熊サトシ稲熊サトシ

冬は時間の制約があって、早めに掻き落とすとやっぱり乾いてないから、デコボコになっちゃうっていう事もある訳です。

稲熊サトシ稲熊サトシ

あとあの表面が綺麗に書けないんですよね、柔らかいとやっぱりこう削り過ぎちゃうというかなので、硬くなってから掻いた部分と柔らかく書いた部分っていうのは、ちょっと表情変わってきちゃうんで、そうなるとちょっと合わせるっていうのがなかなか難しいですかね。

小手村 凪子小手村 凪子

どんなタイミングで掻くが良いの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

何かこうグっと抑えてみて、凹まない程度に締まらないとダメですね。固まらないとグっとやって凹むようだとまだ柔らかいですね。

小手村 凪子小手村 凪子

先程二十平米を2人でというお話があったと思うんですが、掻くのって二人でやった方がいいのか、一人で掻く方が良いのか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

通常の塗って掻く時はもう全員で掻きます。スピード勝負ですね。 あの確かに乾きが遅い時は、余る時もあるんですが、ただ、ずっと大きい壁を掻いていくっていうのは、結構大変な作業で、肩がパンパンになるんですよね。なので塗り終わったら、もう全員で掻き出しますよね。そして、掻き終わる頃には全身砂まみれになる(笑)

小手村 凪子小手村 凪子

先程、骨材の影響が大きいいうところなんですが、その大きさで書き方が変わってきたりはしますか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

細かい細かければ、細かいほど結構気を付けて掻かないと、結構平らじゃなくなっちゃうんで、ボコボコになっちゃうんですよね。大きいと多少削り過ぎても、意外と横から陽が入ってもそん分からないですよ。

小手村 凪子小手村 凪子

押す圧力なのか、それともストロークなのか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

掻く時の圧力の影響が大きい、ストロークはそれぞれの感じを合わせて、円を描くように書いていくんで、やはり力加減ですね。

小手村 凪子小手村 凪子

材料別の注意点は?骨材が影響が大きいよっていうことだったんですがもうベースとなる素材もあると思うので、その影響って何対何くらいの割合になりますか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

骨材の影響が70%ぐらいかな。残りの30%ぐらいはどこのメーカーのものを使っているか、という影響があったりする。その商品ごとの特徴とか。

小手村 凪子小手村 凪子

お勧めの商品はありますか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

それこそ そとん壁 なんかすごい大きい骨材が入ってるんですよね。結構あそこの骨材はサイズがバラバラのやつが結構入ってて、特に大きいのが入ってるんですよ。 一厘もはいとるし五厘も入っていてバラバラ。一分よりなんか大きいのがあるような気もするんだけど、あれは本当に塗るのが結構大変ですよね。

小手村 凪子小手村 凪子

その分、重厚感がある立派な外壁になる。

稲熊サトシ稲熊サトシ

なのでちょっと使ってみないとやっぱり慣れとかはやっぱり出てくるね。

小手村 凪子小手村 凪子

練っている時に、なんかこうお収まりというかな。なんていう表現をよくかむとか持つとか、なんかなんか専門用語があるとか?

稲熊サトシ稲熊サトシ

水を材料が吸うとか、例えば、そとん壁はシラスの成分が水を吸うのが遅いんで、結構混ぜないといい材料にならないですよね。

小手村 凪子小手村 凪子

良く練ってから使う。

稲熊サトシ稲熊サトシ

水と材料が分離してるけど、二分間ぐらい回していくと、もう混ざってくるみたいな、その状態を普通にいい具合とかなんかそんな感じで言いますけど、材料が水を吸うタイミングが早いとか遅いとかいうけど、普通の材料だとそんなに変わらないんですけどね。ただそとん壁に関しては、もう本当、一か十かみたいな感じで違いますもんね。

稲熊サトシ稲熊サトシ

軽量モルタルだと、結構どこも変わらんですけど、量も混ぜる時間によって作業性は全然変わってくる。

小手村 凪子小手村 凪子

手の感触はどんな感じなの?

稲熊サトシ稲熊サトシ

そとん壁は、ほぼ砂利を塗ってるような感じ、結構塗りにくいですよね。まあ多分骨材が大きい影響があると思うんですけど、なんで腕の負担っていうのは結構あるんですよね。だから、他の掻き落としと比べるとだいぶ作業性は落ちますね。

小手村 凪子小手村 凪子

塗るのが大変なのね。

稲熊サトシ稲熊サトシ

まとまり感が少ない低いし、素材自体が重たいんで、しっかり練ってないと塗ってもバサっと落ちるんですよね。

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの工事について分かったわ。ありがとう。

この項のまとめ

・入れる骨材は、三厘(1mm)、五厘(1.5mm)、七厘(2mm)などが有る。
・角が真っ直ぐ綺麗か?がかき落としのチェックポイント。
・サイドからの日当たりで平面の塗りが分かる。
・丁寧で繊細な仕事をする職人に依頼すると良い。

イナマサ業務店
稲熊サトシ

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かき落としのセルフメンテナンス、汚れやヒビはどう対応する?

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの汚れの原因と対策、変色や割れに関して教えて!

生田泰幸生田泰幸

汚れ原因は長年のホコリ、それから外壁の経年液化の汚れがある、これらは排気ガスとか、酸性雨、黄砂なんかも原因としてあります。壁の表面が黒ずんできたりします。

小手村 凪子小手村 凪子

セルフメンテナンスだとどういう方法がありますか?

生田泰幸生田泰幸

高圧洗浄機みたいなので、掃除してもらうっていうのが一番ベターかなとは思います。よくホームセンターなんかで市販されてる車の洗浄に使うような高圧洗浄機で問題ないかと思います

小手村 凪子小手村 凪子

塗装のかき落としリシンの情報は沢山あるんですけど、左官のリシンの情報は少ないね。

生田泰幸生田泰幸

セルフメンテナンスって、かき落としはやっぱり難しいです。だから余りネットに情報が載っていないのかも。

小手村 凪子小手村 凪子

セルフメンテナンスで何かアドバイスがありますか?

生田泰幸生田泰幸

小さい割れ、本当に目立つか目立たんか分からない様な割れであれば、同じ材料を擦り込むという形になるかと思います。

小手村 凪子小手村 凪子

ふむふむ。

生田泰幸生田泰幸

大きく欠けたりしてる場合は、欠けたもの(破片)があればそれをセメント系の接着剤などで貼り付けるいう感じになるかな。

小手村 凪子小手村 凪子

自分で出来るかしら?

生田泰幸生田泰幸

ポイントとして、セルフメンテナンスを考えてみえる方は、やっぱり施工した時に材料をペットボトルかタッパーで、処理者さん業者さんからもらっておくんですね。

小手村 凪子小手村 凪子

同じ材料を保管しておくのね。

生田泰幸生田泰幸

そうですね、ただ練ったやつ(練り済み)だと固まってしまうと思うので、練る前のやつ。乾燥してる状態のやつ(粉体)を保管しておく、粉の材料を貰っておけば軽微な割れは対応できるだろう。

小手村 凪子小手村 凪子

経年劣化の原因と対策、保守点検のポイントは?

生田泰幸生田泰幸

点検としては、大きなクラックが入っていないかっていう事と特別ひどく汚れてないかっていうところ。

小手村 凪子小手村 凪子

ひどい汚れってどんな感じなの?

生田泰幸生田泰幸

ひどく汚れてるっていうのは、やっぱり見て違和感のある。例えば窓周りが黒ずんで、カビや苔が生えているそんなところでしょうか?

小手村 凪子小手村 凪子

変色してしまっている箇所ね。

生田泰幸生田泰幸

高圧でやっても取れないような、大きく汚れてるっていうのは、取れないっていうところ。

小手村 凪子小手村 凪子

詳しく説明して。

生田泰幸生田泰幸

大きな汚れ、例え話で言うと白いシャツにカレーがついたような状況かな。こうなると部分的な補修という風になるとちょっと難しいのかなとは思います。

小手村 凪子小手村 凪子

プロに依頼した方が良いという事?

生田泰幸生田泰幸

かき落としに関しては、セルフメンテナンスって、一般のユーザーさんには結構難しいです。

小手村 凪子小手村 凪子

難しいメンテナンスだとトラブルもあるの?

生田泰幸生田泰幸

良くあることっていうと、お客さんがホームセンターかなんかで似たような材料を買ってきて、ちょっとやってはみたものの、上手くいかずどうしましょう?っていう事になり、乾くと余計汚くなっちゃったよっていうことはある。これはかき落としに限らずセルフメンテナンス全般ですね。

小手村 凪子小手村 凪子

綺麗にしようと思って、逆効果!?

生田泰幸生田泰幸

結局、それ(セルフメンテナンスで塗った部分)をまたやり変えるとこからやらないといけないので、結果高く付いてしまうっていう事になるので、なんか気になる部分がある時はなるべく早めにプロに相談していただければなとは思います。

小手村 凪子小手村 凪子

見極めが大切ね。

生田泰幸生田泰幸

やっぱりかき落としのセルフメンテナンスっていうのは、小さなものだったらいいけど、汚れが大きかったり、本当に気になるような汚れとかクラックであれば、ぜひ壁談に相談してもらいたいですね

小手村 凪子小手村 凪子

分かったわ。ありがとう。

この項のまとめ

・汚れはどんな汚れなのかを見極める。
・高圧洗浄で落ちる汚れもある。
・ヒビや割れの対応はセルフメンテナンスでは難しい。
・トラブルがあれば早めにプロに相談した方が良い。

生田左官

生田左官
生田泰幸

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かき落としのテクスチャー

かき落としの補修工事はどうする?補修した部分が目立た無いようにするには?

小手村 凪子小手村 凪子

かき落としの補修工事のことを教えてください。

間宮秀樹間宮秀樹

まずは剥がれとか、浮きの補修なんですけど、原因はちょっとそこだけ、接着が例えばシーラーが効いてなかったとか、クラック の所から水が回っちゃった浮いたりすることがあると思うんですけども、やっぱりそういうのを補修工事をやろうと思うとかき落としの場合は補修した部分が目立ちやすくなる。

小手村 凪子小手村 凪子

そうなんだ。

間宮秀樹間宮秀樹

特に色が濃いほど目立ちやすくなるという事があると思います。浮きの場合は注入っていうのを以前にモノプラル(フランス風漆喰)でやった。浮きで接着剤を剥がれてるところに注入するってこともできるんです。

小手村 凪子小手村 凪子

補修の部分が目立つっていうのは、どれだけ目立つようになる?

間宮秀樹間宮秀樹

例えば、補修した部分、例えば形が丸かったとすると、その丸い部分がくっきり目立つみたいなそんなイメージですかね。

小手村 凪子小手村 凪子

色が違って見えるのかしら?

間宮秀樹間宮秀樹

目立つっていうのは、どんな目立ち方をするか補修した部分が周りと比べて白っぽくなることが多い、逆に本当にもともと白い色だったら、非常に目立ちにくく補修はできると思います。濃い色程補修しにくいです。

小手村 凪子小手村 凪子

色があると色合わせが難しくなるのね。

間宮秀樹間宮秀樹

これは補修だけでなく、増改築の時もだけど、やはり同じ商品でもやっぱりロットによって微妙に色が違う、それから元々と塗った時と乾燥のスピードが違うとか、例えば湿度が違うとか、そういうのも関係してるのかもしれない。

小手村 凪子小手村 凪子

なるほど、それだけ敏感な材料っていうことになるのかな。あと雨漏れとか雨垂れの汚れに関して補修工事教えてください。

間宮秀樹間宮秀樹

僕の経験でいくと、雨の吸い込みでムラになった所なんかは、ちょっとメーカーから補修材みたいなのを入手してやったこともあるんですけど、なかなか上手くいかなくて最終的にはその面全体をサンポールみたいな酸性のもので、全体を吹きつけて、要は全体をちょっとぼやかす、みたいな感じでやったという事があります。

小手村 凪子小手村 凪子

ぼかし加工みたいのを酸でやるのね。

間宮秀樹間宮秀樹

それから、昔、岐阜県の方で、こんな補修をしたことがあるよ、お客さんに引き渡した後、住んでみえる中で、何かをぶつけられたみたいで、結構大きな傷ができてそこを部分補修したんですけど、やっぱりうまいこと色が合わなくて玄関の本当に一番入り口の目立つところだったんで、この面だけもう一回塗り直してほしい、ということで塗ったんですけど、最初は仕上げ部分だけ剥がれるかなと思って、剥がしてみたら意外とガッチリと付いていたので、諦めて上からもう一回塗りました。

小手村 凪子小手村 凪子

傷はどれぐらいの大きさだったですか?

間宮秀樹間宮秀樹

長さ10センチぐらい、数センチであればまだ対応可能だが、10センチっていうのはすごい大きな傷ですね。

小手村 凪子小手村 凪子

補修工事で一番多いのはどんな工事でしょうか?

間宮秀樹間宮秀樹

やっぱりクラックっていうのは、どうしても出てくるとは思うんですけど、やっぱり本当にヘアクラックっていう細いクラックのことが多いので、幅が1ミリ以下っていう感じで、零点何ミリの世界、そこに材料を水で溶かして塗ってってやると、それも変色が色違いの原因になっちゃうので、自分がよくやるのは茶こしみたいなもので、骨材 という大きな粒を取り除いて、細かい粒だけのものを傷に、手で上から擦りつけて、埋め込むような形で、その後に霧吹きで濡らす、そういうやり方をよくします。

小手村 凪子小手村 凪子

茶漉しを使ってやるのね、意外だわ。

間宮秀樹間宮秀樹

茶こしなんかでやると、メリケン粉とか片栗粉みたいな、あんな感じの細かいものだけしか残らないんです。それを擦り込んで霧吹きでシュッシュッって水を少し湿らさせて、ひび割れの部分だけにその粉を埋め込んで、霧吹きで濡らす。

小手村 凪子小手村 凪子

欠けとか傷に関して何かアドバイスがあれば聞かせてください

間宮秀樹間宮秀樹

やっぱり、かき落としっていう仕上げの性格上、なかなか一般の方が自分でうまいこと直すっていうのは難しいと思うので、そこはKABE-DANに問い合わせていただけるといいかなと思います

小手村 凪子小手村 凪子

最近、白以外のかき落としも多いんですが、やっぱり色合わせということに関して難しいんですか?

間宮秀樹間宮秀樹

そうですね、最初に施工してから日にちが経っていると例えばどんな材料を使ったのかが、ちょっと分からないという時もあると思うので、そういう場合は、現場で色粉を調合して、色合わせをするっていうやり方もあると思いますが、やっぱりそこは水で練った直後の濡れた色とそれから乾いた後の色がやっぱり差が出るので、そこは経験のある職人さんにお願いするといいかなと思います。

小手村 凪子小手村 凪子

濡れ色の方が濃くて、乾いた色の方が薄くなるっていうそういうイメージですね?

間宮秀樹間宮秀樹

そんな感じで、いいと思います。

小手村 凪子小手村 凪子

分かったわ。ありがとう。

この項のまとめ

・補修した部分は色の違いが目立ちやすい。
・色の違いはカラーが濃い程目立つ傾向にある。
・カラーが白なら比較的補修部分は目立ちにくい。
・共材を施工の際に貰っておくと良い。
・茶漉しを使用して補修する場合がある。

伊良湖屋
間宮秀樹

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この記事のまとめ

編集後記:準備中