先日トイ・ストーリー4を観た。
好きな映画で、最初の作品から三作目までは観ていた。
最初の作品が公開されたのは1995年なのだが、映画を観て感動し、子供の為ではなく自分の為にキャラクターのおもちゃを買いに行った。
バズ・ライトイヤーというサブキャラのおもちゃで、劇中に登場するものとそっくりであった。ボタンを押すと決め台詞の
「To infinity and beyond!」(無限の彼方に さあ行くぞ!)
と言い、レーザーを放ち、翼を広げた。文句なしにカッコ良い!と思った。
ストーリーとしては、おもちゃたちが子供に遊んでもらう嬉しさ、子供独特の残酷さや飽きっぽさに一喜一憂する姿を、冒険タッチでコミカルに、時にシリアスに描いたものである。
何故この映画が好きなのか?泣いてしまうシーンさえあるのだ。それはおもちゃ達の、純粋無垢な姿なのだと思う。自分の持ち主(子供たち)への思い、おもちゃ同士の友情、時には嫉妬心、色んな感情が、まったくもってストレートに描写されている。
危険な場面でも顧みず「友達だもの、放って置けないだろ?」と助けに行く。仲間が落ち込んでいると、「君が悲しい顔をしていると、僕まで泣けてくるよ。」と一緒に泣く。そういったお互いを慈しむ姿が、アニメで表現されることによって独特な世界観があるのだ。
何度観ても、心を揺さぶられる。
ダイヤモンド・ユカイが歌う挿入歌も、映画をよく表現していると思う。
ところで本作は「3」で完結のはずが、なぜ「4」を作った?と言われているらしい。
「4」は賛否両論で、一部では不評とさえ言われている。
「3」までは、子供のために生きようとする、おもちゃ達の姿を描いている、「4」では、自分の為に生きて行こうという、おもちゃ達の姿を描いている、、、との事。
私的には、これが「4」を映画館で観なかった理由では無いのだが、自分の為に自分らしく生きて行こう、、、という考え方はまだまだ万民に受け入れられものではないのかもしれないなと思った。
ちなみにトイ・ストーリーは、当時ピクサーCEOであったスティーブ・ジョブスの資産がなければ制作不可能に近かったらしく、公開までの四年で5000万ドルの投資らしい。
「こんなに金がかかるなら、投資しなければよかった、、」と、こぼしたとか、、
トイ・ストーリー4を観た週末、「シン・ウルトラマン」を観に行った。
「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」と公開されていたが、全くもって無関心であったのだが、、ウルトラマンとなると話は別である。
幼少期リアルタイムで見ており、特に最強怪獣のゼットンとの戦いで、ウルトラマンが負けてしまいそうなシーンに、泣きながら「ウルトラマンが死んじゃう!」と、母に叫んだことを鮮明に覚えている。
はたして、どういう切り口で物語が進むのか?ドキドキしていると館内は暗転していった。
序盤で心を鷲掴みされた。それはスローモーションではじまった、右手を胸の前で肘を垂直に曲げる。左手で右手をクロスさせるように、水平に曲げる。
そう、スペシウム光線である。
かっこいい、、、言葉に出してしまった。かつて2歳の私が夢中になってたものが、56歳現在全くもって色褪せて無かった。
話の展開も良かった。
懐かしい名前が、キャラクターを変えて随所に出てくる。単純な、禍威獣(怪獣を本編ではこう表現する)との戦闘シーンだけでは無く、キャッチコピーの「空想と浪漫。そして、友情。」その通りの展開だ。
脚本は庵野秀明、さすがだ。
ウルトラマンに変身する主人公も良かった。必ず人類を守るという姿が、子供向けのような派手さは無いが、どこか無機的な主人公が発する言葉や行動は、逆に本質を感じさせた。
自分の命も危うい危険なミッションに挑むときも、「人類が救われるのなら、私の命はどうなっても構わない。」そう、淡々と語る主人公。
もう一つのキャッチコピー「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」
が全編に散りばめられている。
米津玄師の「M八十七」が流れ、エンドロールが始まる。
誰一人席を立たない。
小さな子供たちには少々物足りなかっただろうが、全くもって騒がなかった。そして、ほぼウルトラマンを知らないのに、付き合ってくれた奥さん。
最後まで気分良く観ることが出来た、皆に感謝である。「泣いてたね」ってバレてたのは、恥ずかしかったが、、、良い映画だった。
ちなみに「M八十七」だが、、、
ウルトラマンの故郷はM78星雲なのだが、脚本中では元々M87星雲だったらしい。それが台本印刷の際にミスプリントでM78とされてしまい、そのままになったとの事。
米津玄師から渡された曲も「M78」だったらしいが、この由来を話したら「M87」でいきましょう、となったとの事。
全く違う二つの映画だが、私の中では共通項目がある。
主人公が愚直な程、信念の元に行動している事である。人間は常に強くはいられないだろう、常に正しくもいられないだろう。
それ故に、あの主人公たちの姿に、心を打たれるのかもしれない。ああいう風に自分もなりたいという、憧れの気持ちもあるのだろう。
弱くもなり、卑怯にもなるだろう。ただ、顧みて自分を戒める事は、せめて忘れずにいたいものだ。
そして、、
来年公開予定「シン・仮面ライダー」、必ず観に行くだろう。
Living is precious by itself
【大地】土壁空間(フジワラ化学)
敢えて「割れ壁仕上げ」にする事で土壁固有の魅力が最大限発揮される。
不揃いなひび割れ模様は、シンプルでありながら個性的な空間を演出し、バーやホテルのラウンジの様な落ち着いた趣のあるシーンにマッチする。