#8 娘がプロポーズされたらしい
このblogでは目についたモノ、気になった事柄を左官の目線で分析をしていきます。
too fast to live,too young to die
特集記事 ブラタニ
長女が久しぶりに家に来た。
同棲を始めた彼女は、以前と比べ帰ってくる頻度が減っていたので、
妻や次女も嬉しそうだった。
近況報告を皆で聞いていたら、、
「それでね、、私 プロポーズされたの、、」
そう、こういうことは突然である。
おめでとうと声をあげて、手をたたいて喜んだ。
皆、満面の笑みである。
同棲することに本心から反対は無かったものの、
結婚するんだろうか?籍は入れるんだろうか?と、
本人達が良ければ、それで良いと思いながらも、
娘は結婚したいと思っている事を知っていたので、
私も、本当に良かったなあと安心した。
「それでね、今度二人で来たいの。いつが良い?」と娘。
以前「同棲の挨拶」で会った事もあるので、
特に今回は動揺する事もなく日程は決まった。
場所と時間を、どうしよう?って話になって、
「う〜ん、、それは少し考えさせて」と私。
後日妻と、場所は家が良いのか?外食が良いのか?とか、
時間帯も、どうしようか?と迷った結果、
場所は自宅。時間帯は昼過ぎ早々と決めた。
理由は、、
外食となると、やはり夜であろう。
そして私は、当然の如く酒を飲むだろう。
そうすると気分が良くなってきて、絶対に話が長くなるのである。
妻や娘達には普段の事でも、彼氏にとっては地獄の時間であろう。
また、夜となると彼氏としては、当日その時間まで気が気でないだろう。
せっかく二人でタイミングの合った休みなのだから、
早目に済ませたほうが良いだろう、、、と思ったのだ。
その日が来た。
約束の時間が迫ってきて、皆でソワソワしていると、
妻が携帯電話を見ながら、「今 何処何処の辺り」「今 何処何処を通過」と、
楽しそうに言う。
妻は携帯電話で位置情報を確認するのが好きで、
(いつも、娘達が何処にいるか?見たりしていて、今日はあの子は何処何処に行ってるとか、嬉しそうにしている。私の事も時々見ている様で、、)
妻が、「来たよ!」と携帯電話を見ながら嬉しそうに言った。
妻や次女と、ぎこちなく話をしている彼氏。なかなか私には顔を向けなられないようだ。
お土産が、人気のモナカで常に行列の店であるとかー
もう一個食べても良い?とかー、お茶飲む?コーヒーが良い?とかー
そんな話が延々と続き、「このままではイカン!」と思い、
「で、今日は話があるんだろ?」って、強引に切り出した。
全員一瞬黙り、彼氏が姿勢を正し話始めた、、、
前回同棲させて欲しいと彼氏から思いを聞いた時、
私としては自分の思いを伝えていた。
なので今回はシンプルに話そう、と思っていた。
「娘さんと結婚させてください」
私は大きく頷き、口を開こうとしたら、、、
予期せぬ事が起きた。
娘が生まれた時のこと
初めて歩いた時のこと
誕生日の嬉しそうな笑顔
運動会で走っている姿
学校に行きたくないと泣いている顔
部活で活躍する姿
入学 卒業 成人式 就職・・・
特に鮮烈だったのは、、、
娘は短大卒業後に、長野の専門学校に通っていたのだが、
入寮の際、皆で引越しを手伝って帰るときに、、、
娘が泣きながら手を振っている姿が、車のミラーの中で小さくなるまで映っていた、、、
数秒も無かったと思うが、まさに「走馬灯の様に」だった。
と同時に涙が溢れて来て、言葉を出せなかった。
徐々にではなく、突然の涙腺崩壊だった。
涙を止めるのと、感情をコントロールするのに必死だった。
絞り出すように、言葉を贈った。
話し終えた時には皆泣いていた。
それを見て、また泣きそうになったが、なんとか堪えた。
堪えた表情が、なんとも不自然な笑顔だったようで、皆に笑われた。
みんなで笑った。
過日、、、
長女が遊びに来て近況報告。
お揃いの腕時計を買ったらしく、嬉しそうに見せてくれた。
今度は、結婚指輪を見に行くらしい。
彼氏の親御さんへの挨拶は?とか、入籍はいつ?とか、結婚式はどうする?とか、
話題は既に、次のステップになっている。
会話の中で妻が「苗字が変わるんだね〜どんな気持ち?」と。
娘は複雑な顔をしていたが、私も微妙な表情だった様で、
私に、「寂しい?」と茶化す妻。
私は曖昧な笑いを浮かべたまま、黙って猫を撫でていた。
次女も年内には同棲したいらしいと、妻から聞いた。
つづく
Living is precious by itself
【大地】土壁空間(フジワラ化学)
敢えて「割れ壁仕上げ」にする事で土壁固有の魅力が最大限発揮される。
不揃いなひび割れ模様は、シンプルでありながら個性的な空間を演出し、バーやホテルのラウンジの様な落ち着いた趣のあるシーンにマッチする。